すでに始まった「大豆肉」を食べる衝撃的な生活 世界を席巻するインポッシブル・フーズとは

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世界で注目されているインポッシブル・フーズ。「大豆肉」を食べる世界はすでに始まっています(写真:shige hattori/PIXTA)
日本ではあまり知られていないが、世界で注目されている企業が、インポッシブル・フーズ。「ベジタリアンだけど肉の食感もほしい」というベジタリアンのニーズに応え、現在、アメリカで大流行しています。
これまでもベジタリアンフーズを製造している企業はありましたが、インポッシブル・フーズのような本当に肉の食感が得られるベジタリアンフーズはなかった――『2025年を制覇する破壊的企業』の著者であり、ビジネスとテクノロジーをつなぐベンチャーキャピタリストである山本康正氏はそう語ります。どういうことか。同氏に聞きました。

「ベジタリアンだって肉の食感がほしい!」を実現

食業界に大革命を起こすのではないかと注目を集めているインポッシブル・フーズ。アメリカではお肉を食べない、お肉がダメなベジタリアンがかなり多く、レストランにもベジタリアン向けのメニューが当たり前に用意されています。

ベジタリアンがお肉を食べない最大の理由は、動物を殺すことに抵抗があるからです。一方で、お肉の食感を楽しみたいとの願望もある。そこで、まるで本物のお肉のような食感や味わいが楽しめる、代替肉が注目されています。インポッシブル・フーズは、この代替肉を製造しているベンチャーです。

原材料は大豆です。ただ実際に食べてみるとわかりますが、牛肉のような食感が楽しめます。ふつうにおいしいですし、牛肉に比べ価格も安い。牛を育てている最中に発生する地球温暖化の原因の1つとされるメタンガスも発生しません。エコな商品でもあるわけです。

価格が安いのは、牛肉に比べ製造コストが圧倒的に低いからです。牛肉であれば子牛から育てて最低でも3年は出荷するのにかかります。一方、インポッシブル・フーズのお肉は大豆ですから、原材料さえあれば工場で短時間で作れてしまう。もちろん大豆を生産する時間もありますが、牛を育てるのと比べたら、はるかに短い時間です。

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