すでに始まった「大豆肉」を食べる衝撃的な生活

世界を席巻するインポッシブル・フーズとは

本物のお肉のような食感を味わえるとの体験が、目的を達成しながら、できるようになったわけです。当然、ベジタリアンから支持されます。

インポッシブル・フーズの取り組みは、肉の食感だけでなく、食料問題、環境問題、貧困問題という、3つの大きな社会課題解決にも貢献しています。まさに昨今のトレンドであるESG(環境・社会・ガバナンス)まで実現してしまったのです。これまでの業界や境界の壁を意識していないからこそ、実現できたと言えます。

現在ではアメリカのみでの展開のようですが、おそらく内実ではパートナー企業などを通じ、海外でも販売すると思われます。

つまりこの先の、世界の食産業を変える可能性があると私は見ています。農家の雇用がなくなるのが問題だと指摘する人もいますが、私はそうは思いません。逆に、無理やり雇用を維持する方が、当事者だけでなく、国も不幸になると考えるからです。

それよりも今後人口爆発で食料不足が問題視されているのですから、その解決策になりえるだろうと。

「我慢」を取っ払ったエコから得る体験

インポッシブル・フーズはテスラと似ているとも感じています。電気自動車が出始めのころは、単にエコな乗り物であることが、コンセプトでした。そのため見た目はイケてない、走行距離も短い、それでいて充電時間は長いし、価格もガソリン車と比べると高い。でも環境に優しいなら、我慢して乗るかと。

『2025年を制覇する破壊的企業』(SBクリエイティブ)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

過去のベジタリアンフードと同じく、ユーザーは我慢して乗っていたわけです。そしてこのような我慢が、常識でした。ところがその常識を、テスラは取っ払いました。エコでありながら、見た目もかっこよく、スピードも速い、充電も含めたサービスも充実している。体験として満足する電気自動車を開発したのです。

業界や領域に固執していると、その中でのしきたりや固定観念に縛られてしまい、ユーザーや市場が求める本質的なニーズとはズレた商品やサービスを提供してしまっている例は、多くあります。

いま行っている事業やサービスが、ユーザーのニーズにフィットしているのかどうか。ハード、ソフトどうこうではなく、その先の体験に基点を置いた企業が、これからの未来をつくっていくのです。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 就職四季報プラスワン
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ネットで生卵がメチャメチャ売れる驚きの理由
ソニーの高額年収、入社1年目からの徹底した「実力主義」
ソニーの高額年収、入社1年目からの徹底した「実力主義」
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
自分は不幸だと思う人は脳の使い方を知らない
自分は不幸だと思う人は脳の使い方を知らない
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
サプライズと配当成長株で勝つ<br>株の道場 成長先取り編

菅首相の退陣決定を受け、東証株価指数が31年ぶりの高値へ急騰。日経平均株価も3万円を超えました。本特集では9月17日発売の『会社四季報』秋号を先取りし、上方修正期待の大きいサプライズ銘柄を抽出。株価上昇を享受する方法を会得しましょう。

東洋経済education×ICT