後発薬大手、日医工が「製造不正10年」の唖然

ワンマン社長の売上高至上主義が招いた歪み

日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会の武藤正樹代表理事は「業界への悪影響はそうとう大きいだろう」と話す。小林化工は同学会から除名処分になった。日医工への対応は検討中だという。

「以前は新薬に比べて品質が悪く、特許が切れてからゾロゾロと出てくることを揶揄して“ゾロ品”と呼ばれていた。品質基準を厳格にしてから20年以上かけて信頼を積み上げてきたのに、昔のイメージに逆戻りしかねない」(武藤代表理事)と悔しさを露わにする。

政府は、「2020年9月に後発品割合80%」をスローガンに促進策を進めてきた。2021年には、「ポスト80%」の目標が策定されることになっていた。だが相次ぐ品質問題を受けて、これ以上の数量を追う目標を政府が後押しするのは難しくなりそうだ。

「行け行け」の年にするつもりだった

日医工のホームページには、地元の北日本新聞が2019年末に行った田村社長のインタビューが現在も掲載されている。

「社長就任時の売上高100億円は20年で20倍になったが、あと20年務めるとすれば、最終的に50倍の5000億円にしたい。2020年は当社の創業55周年でもあり、(中略)『ゴーゴー』にふさわしく、飛躍につながる『行け行け』の年にしたい」

一段の成長を狙ったものの、2020年は製品の自主回収を繰り返し、最終的に業務停止命令を受けることになってしまった。3月3日の会見で田村社長は続投を表明。「今後も規模拡大のための買収を続けていくのか」と問われ、「これまでの戦略に変更はない」と話した。だが、成長を急ぐあまり今回のような不正が起きると、結局、しわ寄せがいくのは患者だ。再びアクセルを踏み込む前に、一度立ち止まって再発防止策の徹底に努めるべきだろう。

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