初代「ヴェゼル」オーナーによるリアルな評価 ライバル比較で見えたロングヒットの理由

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たとえ「スタイルや外観」が優れていても、室内が狭い、荷室が狭い、といったような「苦手科目」がどこかにあったなら、ここまでヴェゼルが売れることはなかっただろう。

SUV新車登録販売台数で4度も1位を獲得したヴェゼルであるが、ここ数年の各社の新モデル投入状況を見れば、安心できる状況ではない。最後まで悩み、比較したクルマ、「最終比較検討車」のランキングを紹介する。

1ページ目でお見せした前有車のランキングでは、今回購入した車種のメーカーと一致することが多かった。一方で最終比較検討車になると、ヴェゼルで言えばフィット、C-HRではアクア、キックスではノートといったように、同一メーカー内でのコンパクトカーがランキング内に入りつつ、競合するコンパクトSUVもランクインしている。

また、C-HRには都市型SUVの代表格である「ハリアー」が、ヤリスクロスには確かな悪路走破性を備えた「RAV4」がランクインしていることも興味深い。SUVやクロスオーバーといった車種が、ユーザーニーズに応える形で多様化しつつも、しっかりと棲み分けられていることが読み取れる。

ただし、初代ヴェゼル購入者の多くは、まだヤリスクロスやCX-30といった車種が発売される前に購入しているので、比較車種として挙がっていないことには留意が必要である。

サイズやキャラクターの違いで複数ラインナップを揃えるトヨタ、自らの強みを前面に押し出したマツダの独自性、e-POWERで攻勢をかける日産と競合の動きは激しい。

新型ヴェゼルの動向は?

初代ヴェゼルの評価を見ても他を圧倒するような一芸があるわけではないが、ホンダ自らが標榜する、クルマづくりの根幹となる考え方は「人間中心」である。

「人のためのスペースは最大に、メカニズムは最少に(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)」という「M・M思想」が示すように、高い実用性は折り紙つきだ。そういった特徴をしっかりとユーザーに届けることで、戦国時代が続くコンパクトSUV市場を今後も勝ち抜いていけるのか、4月に発売となる2代目ヴェゼルの動きは要注意だ。

三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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