草なぎ剛が語る「終わりの美学」を演じる意義 徳川慶喜だけではない全ての人に通ずるテーマ

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草なぎ:将軍として冷静に周囲を引っ張っていくときと、ひとりの人間としての感情があらわになるときのコントラストをうまく演じ分けたいですね。

──後年、将軍を辞して、一個人として生きることになった慶喜の人生は、江戸300年の歴史が終わり近代化の道を歩み始めた日本社会の表象ともとれる。

草なぎ:物事の始まりって、いつもワクワクするけど、一方で「終わりの美学」みたいなものもきっとある。そしてひとつの終わりは、もうひとつの始まりでもあります。これは慶喜だけじゃなくて、すべての人に通ずる人生のテーマですよね。慶喜がどうやってひとつの時代を終わらせるのか、楽しんで観てもらいたいなと思います。

大河は「半端じゃない」

──2004年、NHK大河ドラマ「新選組!」に、慶喜の家臣だった榎本武揚役で出演している。大河の撮影は2回目となるが、「独特の緊張感には慣れない」と話す。

草なぎ:前回も思ったんですけど、大河はセットが半端じゃないの! スタジオもすごく大きくて、スタッフさんも何人もいて、ピンと張り詰めた空気の中で演技しないといけない。前回は、(香取)慎吾の演技をスタジオの隅から見てるだけでも緊張したからね。

でも、今回は時を経て、僕もそれなりに経験を積んできたので、「一発かましてやるか~」って余裕な感じで参加したんですよ。だけど、スタジオに入った瞬間「あわわわわ……」ってなりました(笑)。もうレベルじゃなくて、ラベルが違うね! 大河は、ほかのドラマとはジャンルが違う。

そういうときは落ち着こうと思っても難しいから、「ああ……僕ちゃんこんなに緊張しちゃって……かわいいやつだな」って、心の中で自分を俯瞰(ふかん)するようにしています。そうやって日々乗り切ってますね。

──大河は豪華な俳優陣も見どころの1つ。今回も、水戸藩主で慶喜の父である徳川斉昭役に竹中直人、側近の平岡円四郎役に堤真一など、個性の強いベテラン俳優たちが顔をそろえた。

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