中国のサービス業で景気回復の息切れ感が強まっている。3月3日に発表された2021年2月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は51.5と、前々月(56.3)、前月(52.0)に続いて3カ月連続で低下。2020年5月以降の最低値となった。
なお、3月1日に発表された2月の財新製造業PMIは50.9と、こちらは2020年6月以来の最低値だった。製造業とサービス業のPMIはどちらも好不況の判断の目安とされる50を上回っているが、事業活動の勢いが全般的に減速しつつあることを示唆している。
サービス業の2月の新規受注指数は過去10カ月の最低値を記録。サービス輸出の新規輸出受注指数は4カ月ぶりの縮小基調に転じた。新型コロナウイルスの世界的大流行が続き、中国国内でも局所的にクラスターが発生していることが心理的な重しになった。
コロナ禍は早晩収束との楽観変わらず
市場心理の悪化は雇用にダイレクトに波及している。一部の企業はコストダウンのため人員整理に着手しており、サービス業の2月の雇用指数は半年ぶりに縮小基調に逆戻りした。
一方、サービス業の2月の投入物価指数は前月よりわずかに低下したが、依然としてボーダーラインを大きく上回っている。原材料費や人件費が値上がりし、需要の伸びは鈍化するなか、企業がコストアップを価格に転嫁できる余地は小さい。
だがそんななかでも、サービス企業の経営者は先行きに総じて楽観的だ。コロナ禍は遅かれ早かれ収束するとの自信は揺らいでおらず、向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数は前月よりいくぶん上昇した。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は3月3日
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