新型コロナウイルスの中国国内での局所的な再流行や海外での流行拡大のあおりを受け、中国のサービス業の回復に腰折れの懸念がでてきた。2月3日に発表された2021年1月の財新中国サービス業経営活動指数(サービス業PMI)は52.0と、過去10年間で最高レベルだった前月(56.3)から4.3ポイント下落し、9カ月ぶりの低水準を記録した。
とはいえ、指数そのものは好不況の判断の目安とされる50を依然として上回っている。なお、1月31日に発表された中国国家統計局の調査に基づくサービス業PMIも、2021年1月は51.1と前月(54.8)より3.7ポイント低下。財新の調査と一致した傾向を示した。
これらのデータは、サービス業の景況感は改善トレンドを維持しているものの、そのペースが大きく鈍化したことを示唆している。関連指数ではサービス業の新規受注指数が過去5カ月間、サービス輸出の新規受注指数が過去3カ月間の最低値に落ち込んだ。
経営者心理に新型コロナが強く影響
雇用の改善もペースが鈍っている。2021年1月のサービス業の雇用指数は拡大トレンドをかろうじて維持したが、過去6カ月間の最低値となった。
景気や雇用の先行きが不透明さを増すなか、サービス業の多くは原材料価格や人件費、物流費などの値上がりをサービス価格に転嫁しにくくなっている。2021年1月のサービス価格指数は上昇トレンドにとどまったものの、前月より低下した。
向こう12カ月間のサービス業の楽観度を示す指数も、過去4カ月間の最低値を記録。今後の景気に対する経営者の心理に、新型コロナが与える影響の強さを改めて示した。
「海外で新型コロナの流行拡大が続くなか、中国国内での再流行を効果的に予防できるか。外需の先行きが不透明さを増すなか、国内経済を内生的発展に導けるか。2021年の注目点だ」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そうコメントした。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は2月3日
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