日本の常識「中国=一党独裁国家」は本当なのか 実は8つの小政党も、合法的に認められている
もっとも、毛沢東はわずか数年で新民主主義路線を捨て、急速な社会主義改造に突き進んだ。結果、当初はかなり自由な政治活動や政策提言をおこなっていた民主党派も、1957年の反右派闘争を受けて動きを封じられ、さらに文化大革命で完全に無力化した。文革後に組織は復活したものの、もはや独立性を失い、中国共産党の翼賛勢力にすぎない存在となっている。
現在、中国の庶民が民主党派の存在を感じる機会は「両会」(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)の報道くらいだ。ただ、ニュースをまじめに見ない人も多いため、自国に中国共産党以外の政党が存在することを知らない中国人も相当数にのぼる。
洪門の一派が政党化
中国致公党も、そうした民主党派のひとつである。『現代中国の秘密結社』でも述べたように、彼らは伝統中国の秘密結社・洪門(ホンメン)の一派が政党化し、紆余曲折を経た末に中国共産党に協力して民主党派として生き残ったという相当な変わり種だ。
中国政府系の媒体『北京週報』日本語版が2012年の第18回中国共産党大会の際に配信した紹介記事では、致公党は以下のように説明されている。
中国致公党:華僑の社会団体であるアメリカ致公総堂の発起で、1925年10月アメリカのサンフランシスコで発足し、主に帰国華僑とその親族の中・上層の人々からなっている。現在、全国に省クラス組織が18、中央直属組織が1つあり、市クラス組織が129、党員数は3万人以上。現任の主席は万鋼氏。
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