弾圧下にある「中国のキリシタン」の仰天実態

純粋さゆえに悪い教えに対して脆弱な部分も

封鎖された北京のシオン教会(写真:AP/アフロ)
特定の宗教の信仰が厳格に規制されている中国。それでも現地では信仰を貫く人たちもいます。ルポライターの安田峰俊氏が上梓した『現代中国の秘密結社』より一部抜粋・再構成し、お届けします。

社会主義国家である中国では、あらゆる宗教が中国共産党の管理下に置かれ、それに属さない宗教組織は取り締まりの対象となる。

プロテスタントについても、三自運動と呼ばれる反帝国主義的な中国人クリスチャンの愛国運動が、中華人民共和国の建国後に共産党体制に協力する形へと再編された。

結果、中国国内の各教会は、「帝国主義的な」西側諸国の教会との連絡を絶たれたうえで、三自委員会という親政府系の組織によってたばねられることになった。

だが、信仰が政治に支配されることに違和感を覚えて三自委員会から距離を置き、民間でひそかに信仰を伝えるプロテスタント各派も数多く存在した。

こうして地下に潜った各派の教会が、「家庭教会」(家の教会)や「地下教会」の名で総称されることになる(比較的黙認されている民間教会を「家庭教会」、厳しく弾圧されているものを「地下教会」と呼び分けるとする主張もある)。

厳しい弾圧でも数千万規模の信者数

ちなみに、中国のプロテスタントは20世紀前半までのアメリカの神学理解の影響を強く受けており、理性や科学を重視する現代派(自由主義神学派)と、個人の霊的救済や聖書の内容に忠実な信仰を重視する基要派(福音派)に大きくわかれている。

これらのうち、世俗的な現代派は三自委員会と比較的親和的だったのに対して、信仰に対してよりストイックな基要派は地下化を選ぶ例が少なくなかった。

また、1966年に勃発した文化大革命では、親政府的であるはずの三自委員会系のプロテスタントすらも無差別に糾弾対象にされた。結果、本来は三自委員会系だった中国人クリスチャンが地下に潜り、その後に改革開放政策が開始された後も当局への不信感から表に戻ろうとしなかったことで、文革によって家庭教会の規模が大幅に拡大するという皮肉な事態も起きた。

現在、中国における家庭教会の信者数は、当局の厳しい弾圧にもかかわらず数千万人以上の規模に及ぶとみられている。

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