リビングハウスが家具を売りまくる北欧流の技

二極化する市場の空白地帯を独自路線で走る

二極化する市場の中で独自のポジションを取って成長する家具小売りチェーン「リビングハウス(LIVING HOUSE)」の秘密に迫る(写真:NHK大阪取材班)
モノであふれかえる日本。新たにモノを買ってもらうためには、消費者自身が気づいていない潜在的な需要を掘り起こしていかなければならない。
NHK大阪拠点放送局が制作する「ルソンの壺」は3月7日の最新放送回(関西地域で7時45分〜8時25分放送)において「空間演出に勝機あり」をテーマに、家具小売りチェーン「リビングハウス」(設立1942年、大阪府大阪市)と、和歌山発のハードモビリティベンチャー「グラフィット」(設立2017年、和歌山県和歌山市)を取り上げた。そのうち経済ジャーナリストの三神万里子氏と狩野史長アナウンサーによる、リビングハウスの北村甲介社長へのインタビューを、番組本編に収まりきれなかった部分も含めてお送りする。
リビングハウス(LIVING HOUSE)は、家具の町、大阪市西区南堀江に本社を置く老舗。現社長の北村甲介氏は3代目に当たる。家具職人だった初代社長が、工場の軒先でいすやソファの販売を始めたのが創業のきっかけだ。現在は関西に限らず、北は札幌から南は鹿児島まで28店舗を構え、それもイオンモールやららぽーとなどの大型商業施設への出店を得意としている点にも特徴がある。
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低迷する家具市場で売り上げを3倍に伸ばす

狩野 史長(以下、狩野):日本では1972年に婚姻数が109万組のピークをつけた後、ほぼ右肩下がりに減少し、今は年間60万組を下回っています(総務省調べ)。新築住宅着工戸数も1996年の163万戸がピークで、今や年間100万戸を割り込んでいます(国土交通省調べ)。

この影響を大きく受けている業態の1つが家具です。家具小売業の商品販売額は1991年に2兆7000億円でしたが、2016年には1兆1000億円と半分以下に下がり、家具小売店は次々と廃業を迫られています(出典:商業統計調査、経済センサス活動調査)。

三神 万里子(以下、三神):ニトリの躍進と大塚家具の凋落が象徴するように、日本の家具は「高品質で高価格」と「品質がそこそこで低価格」な商品に需要が二極化しています。この間の価格帯の商品を扱う家具メーカーや家具小売店が経営的に不利な時代になっています。

狩野:にもかかわらず、高価格と低価格の間の空白地帯ともいえる価格帯に照準を絞った商品を展開しているリビングハウスは、10年前と比べて売り上げを3倍に伸ばしています。

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