リビングハウスが家具を売りまくる北欧流の技 二極化する市場の空白地帯を独自路線で走る

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スタジオ収録の様子。右から北村甲介・リビングハウス社長、三神万里子・経済ジャーナリスト、狩野史長アナウンサー(写真:NHK大阪拠点放送局)

三神:欧州の現地視察も出張ベースでなさったとのことですが、日本との違いは?

北村:一般家庭でも、日本で言えばモデルルームのようなお部屋ばかりでした。1品1品がおしゃれというよりも、全体の調和や色使いのコーディネートがきっちりされている家が多い。所狭しとオブジェや花瓶、アートなどが飾られてあるんです。

一方、日本の家の壁は真っ白。アートや小物などを飾っているご家庭は少ない印象があります。私はそこに日本と大きな違いを感じ、これはビジネスチャンスだと思いました。

リビングハウス店内にはアート作品が並べられている。NHK「ルソンの壺」は、関西の“キラリと光る”企業や団体を取材し、ビジネス成功の秘訣を伝える番組。最新回は3月7日(日)、NHK総合の関西地域で7時45分~8時25分放送です(写真:NHK大阪拠点放送局)

三神:日本では、壁に飾る絵画は高価だったり、壁に傷がつくのを気にしたりしますね。小物をたくさん置くと散らかると考え、茶室の文化背景もあってミニマリズムに走る傾向もあります。

北村:欧州の一般家庭に飾られている絵画は高価ではなく、リーズナブルなものが多く、その日の気分によって飾る絵画を変えるような人も多いです。欧州の人たちは家族と過ごす時間が人生におけるいちばんの優先順位であり、生活の中心が家。北欧は日照時間が短く、家で過ごす時間が長いという事情もあります。そのため、インテリア文化が栄え、快適な家づくりをするのです。

日本人には家で過ごす時間が短いという民族性がありますが、新型コロナウイルスによって家で過ごす時間が増え、家の中のことに興味を持つ人が増えてきているのを感じています。これから大きな転換点になっていくと考えています。

“需要創造型”の戦略

狩野:リビングハウスは全国に28店舗を展開していますが、このうちおよそ7割が大型商業施設内の出店ですね。

北村:買い替えや買い足し需要を創造する“需要創造型”の戦略をとっています。ロードサイド型の店舗は、ネットなどで調べてから来店される目的性の高い方が多いですが、商業施設では、家具の購入予定がない人でもふらっとお店に入っていただけるチャンスがあります。

お店に入った際に「すてきな空間だな」と感じてもらい「うちのソファ、そういえばワインこぼして買い替えたいと思っていたな」というように思ってもらって、販売につなげていくスタイルです。

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