リビングハウスが家具を売りまくる北欧流の技 二極化する市場の空白地帯を独自路線で走る

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三神:自社で商品開発もされているそうですね。もともとメーカーという強みもありそうです。

北村:お客様のニーズが多い場合、その声を反映した新製品を開発します。例えば体型が違うご夫婦から「旦那さんは深いソファを所望しているけど、奥さんには深すぎて足が着かない」という声を聞いた際は、使用する人の体形に合うように背もたれを調整できるソファを作りました。

ネットで店舗を見て回れる“バーチャル店舗”

狩野:コロナウイルスの影響はありましたか。

北村:緊急事態宣言が発令された昨年4~5月はリアル店舗を営業できなかったこともあり、前年同月比でみて売り上げが60%ほど落ちました。そこで、360度カメラを使って店内を撮影して、インターネットで店舗を見て回れるシステム、バーチャル店舗を導入しました。

ネットで接客対応も(写真:NHK大阪拠点放送局)

三神:小売業ではネット販売の重要性も増しています。現在、リビングハウスのリアルとネットの売り上げ比率は?

北村:リアルが約9割、ネットが約1割といった感じです。コロナ禍以前のネット販売は全体の0.5%ほどでしたが、コロナ後は2倍になりました。さらにネット販売が増えてくるとみています。

三神:家具の場合、低価格帯な商品ならば、実物を見なくても座り心地や手触りなどを妥協してネットで買えますが、高額な商品ならばリアル店舗に行って実物を確かめたいというニーズがどうしてもあるのではないかと思います。

北村:ネットとリアル店を組み合わせた接客も可能ですし、一度、購入してもらえば、われわれの製品の品質を理解してもらえます。その信用があれば、ネットでの追加購入は比較的していただきやすいと考えます。

三神:低価格帯の商品を武器にする家具小売りチェーンでは、店舗を展示場のような空間にして、在庫を置かずに倉庫から直接配送し、組み立ては顧客自身が行うという販売手法が多くなりました。

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