バブルが今すぐ破裂しても驚かない9つの理由 いよいよ「崩壊の兆候」があちこちに出てきた

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競馬である。2月28日に中山競馬場で行われる中山記念は1800メートルのレース(格付けはG2)である。マイル(1600メートル)戦で実績を上げている、G1クラスのメンバーが集まり、また2000メートルで行われる4月のG1大阪杯に向かう前哨戦でもあるので、本来なら豪華メンバーになるのが普通だ。

だが、今年は「史上最弱」といってもいいほどの顔ぶれ。これなら、G3の金杯を勝ち上がってきたヒシイグアスとケイデンスコールの一騎打ちだと思うが、バブルの崩壊を予言するのと同じくらい、簡単で、つまらないので、阪急杯のほうを考えたい。

阪急杯は「小幡理論」で勝負する

格から行けば、インディチャンプが断然で、真のG1ホースだ。音無秀孝調教師も鞍上の福永祐一騎手も、インディチャンプも、すべて私の大好きな方々なので迷いなく「これで」、と言いたいところだが、大いに不満なので今回は無印とする。

なぜなら、前走の阪神カップ(昨年末開催)も1400メートルで明らかに距離不足のレースだった。最後は猛烈に追い込むも届かず、しかも0.4秒(約2馬身差)も負けているのである。断然の1番人気での惨敗である。

それとまったく同じコースで、かつそのときに完敗した相手、ダノンファンタジーも今回再び、出走するのである。それでいて、人気は再び断然インディチャンプ。これを買うギャンブラーはいない。

ダノンファンタジーごときにリベンジする意味もなく、出走を決めた陣営に異を唱えたい。したがって、本命はダノンファンタジー。少なくともインディチャンプに負ける理由は見当たらない。単勝。

2番人気と思われるレシステンシアも、人気先行で、3歳時の実績だけで買うわけにはいかない。古馬との対決となった昨年11月のマイルチャンピオンカップでは24キロ増という成長の気配を見せたが、惨敗だった。体重大幅増加の牝馬は「私の好物」なのだが、さらにそこから休み明け。人気がなければむしろ買うところだが、人気で買う理由はない。

むしろ穴で狙ってみたいのは、クリノガウディーだ。昨年1着で入線するも、他の馬の進路を妨害して降着になった高松宮記念(G1、昨年3月開催)以後、不遇の「馬生」を送っているが、こういう馬に入れ込んでしまうのが、小幡理論である。複勝だが、単勝も買っておきたい。

真実は、早くも2月28日の15時台には明らかになっているはずだ。

小幡 績 慶応義塾大学大学院教授

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おばた せき / Seki Obata

株主総会やメディアでも積極的に発言する行動派経済学者。専門は行動ファイナンスとコーポレートガバナンス。1992年東京大学経済学部首席卒業、大蔵省(現・財務省)入省、1999年退職。2001~2003年一橋大学経済研究所専任講師。2003年慶應大学大学院経営管理研究学科(慶應義塾大学ビジネススクール)准教授、2023年教授。2001年ハーバード大学経済学博士(Ph.D.)。著書に『アフターバブル』(東洋経済新報社)、『GPIF 世界最大の機関投資家』(同)、『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)、『ネット株の心理学』(MYCOM新書)、『株式投資 最強のサバイバル理論』(共著、洋泉社)などがある。

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