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バブルが今すぐ破裂しても驚かない9つの理由 いよいよ「崩壊の兆候」があちこちに出てきた

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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第5に、決算発表があると下がる、という現象だ。しかも非常に儲かっている「GAFAM」のようなアメリカの巨大企業や「経済のど真ん中にいて有望な企業」が決算を発表すると、好決算であっても下落する。

いわゆる利益確定だが、期待値や夢が、現実だけでなく企業側の5年後の成長シナリオまでも追い越しているのであり、これはバブル以外の何物でもない。バブルは、群集の期待、夢、欲望を飲み込んだ結果であり、この風船は膨らみ続けるしかないがそれは弾けて、破れるしかなく、結局夢も敗れる。

すでに「暴落」は始まっている

第6に、SPAC(特別買収目的会社)と呼ばれる、空箱の上場である。「上場審査をかいくぐる」という意味で、そもそもガバナンス上も大きな問題なのだが、このような箱だけの上場が起きるのは、バブルのまさに特徴である。

例えば1990年代半ばのイスラエルでの株式バブルにおいても有名な空き箱が上場されたし、2000年半ば、日本のライブドア株に象徴されたネットバブルにおいても、実質的には空箱の上昇が目立った。

SPACが上場されるのは、バブルを明示している。SPACを利用して、実質上場に踏み切る企業が殺到しているのは、間もなく利用できなくなる可能性を察知してのことだ。この場合、ガバナンス上の問題が露呈するのは、バブルがとことん崩壊した後であり、さらに先のことが多い。

第7に、株式市場は欲望を表すが、債券市場は「論理」と「中央銀行の行動」を表すものだ。2月25日のアメリカの国債市場も、利回りが急上昇し、10年物で1.6%台にまで達した。2年物や5年物国債も利回りが、割合で言えば「30%前後も上昇」(価格は下落)した。

これは債券バブルの崩壊の始まりであり、すでに暴落は始まっているのである。「景気を織り込んで」「インフレ懸念で」というが、そうではない。実際に金の価格は下落している。別のロジック、つまり、冷静な論理が動いているのであり、金融緩和によるバブルの終わりを示している。

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【FRBのパウエル議長の問題点】

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