JR西日本「ローカル線見直し」対象線区はどこか 松本清張『砂の器』で有名なあの路線も廃止?

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JR西日本の石見川本駅。三江線の廃止に伴い2018年3月末限りで廃駅となった(編集部撮影)

JR西日本の長谷川一明社長は2月18日、ローカル線の運営について、軽量軌道交通(LRT)への転換や廃止によるバス転換なども視野に入れ見直す考えを記者会見で明らかにした。今後、見直しの対象となるローカル線の関係者と協議するという。

同社は以前から地域交通の見直しの方針を何度か示している。たとえば2013年3月にまとめた中期経営計画では「地域と課題を共有し最適な輸送モード等の検討を通じ、持続可能な地域交通のあるべき姿を追求」するとしていた。実際に2018年4月には三江線(広島県・島根県)の全線を廃止。地元バス会社の石見交通などが代替バスを運行している。

長谷川社長は記者会見で「これまで内部補助によって成り立ってきたローカル線の今後のあり方について課題提起をスピードアップし、関係の皆様方と一緒になって、持続可能な地域交通を実現していきたい」と述べた。2013年の中期経営計画で示した方針と似ているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で利用者が大幅に減少しており、議論を加速させるという決意の現れだろう。

国鉄とJR北海道は「輸送密度」で選定

実際にどの路線が見直しの対象となるのだろうか。長谷川社長は記者会見では具体的な路線名を挙げなかったが、通常は利用者の少ない路線が廃止されることを考えれば、JR西日本も利用者の少ない路線を見直しの対象にするだろう。

国鉄の経営が極度に悪化していた1980年12月、国鉄再建を目指した日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)が公布された。この法律では、原則として1日1km平均の利用者数(輸送密度)が4000人未満の路線を廃止の対象とし、鉄道を廃止してバスに転換するか、あるいは国鉄から分離して第三セクターなどに引き継がせるものとしていた。

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