三陸鉄道は「震災から5年」でどう変わったか

「あまちゃん」ブームに沸いた、あの路線の今

あの震災から5年、「あまちゃん」ブームから3年近くが経った。三陸鉄道は今、どうなっているのか(撮影:尾形文繁)

今や日本人で「三陸鉄道」の名前を知らない人はいないだろう。2011年の東日本大震災で北リアス線、南リアス線ともに大きく損傷したものの、順次運転を再開。2013年4月にNHKで放映された朝ドラ「あまちゃん」で、その知名度は全国区となった。

ようやく全線で運転が再開されたのは2014年4月。放送終了から半年が経っていたにもかかわらず、ドラマでおなじみとなった列車に乗るため、全国から多くの観光客が当地に押し寄せた。そして1年後。2015年6月に「三陸鉄道が黒字化」という見出しが新聞各紙に踊った。三陸鉄道は復活したかのように見えた。

各種の補助金でようやく最終黒字

だが、2014年度の財務諸表に目を通すと、順風満帆とは言いがたい。経営の柱である鉄道事業は、営業収益4億5365万円に対して、営業費用6億0296万円。差し引きで1億4931万円の赤字である。物販など関連事業の収益を加味した経常損益で見ても、1億0254億円の赤字。各種の補助金を特別利益に計上することで、ようやく純利益が8683万円の黒字だった。

それでも前年度と比較すれば、2014年度の経営状態ははるかにによくなった。2013年度は全線開通前だったこともあり、経常損益は2億1482万円の赤字、純損益も5117万円の赤字だった。震災の影響を受ける前と比較しても、2009年度の鉄道事業は営業収益3億7653万円、経常損失1億3517万円、純利益2234万円だったので、震災前よりも状況が好転したことになる。

2014年度の好決算が観光客増加によるものであることは、言うまでもない。

2008年に実施された旅客流動調査によれば、全乗降者に占める観光客の割合は2割程度。これに対し、2014年度は運賃収入での比較になるが、主として地元住民が活用する個人用乗車券と定期券の収入が2億6064万円だった一方、個人用観光乗車券と一般団体乗車券、観光団体乗車券の合計は1億6000万円だった。

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