シングル母に襲いかかる「呪いの言葉」の暴力性 「つらい」と発信することすら許されない

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近藤さんの長男くんが小さかったとき。雑貨屋のお姉さんも優しくしてくれた(写真提供:近藤さん)

 

マンガの中で、「つらい時代もSNS発信をしていた」というエピソードを紹介しました。

その発信の理由は、感情の発露だけではなく、「万が一、自分が急病や事故で何かあったとき、SNS発信が途絶えたことで誰かが察知して息子を助けてくれるかも」という緊急事態対策でもあったそうです。実際、当時の近藤さんは精神的にも肉体的にもギリギリで、体調を崩して緊急入院したこともあったそうなのです。

でも、SNSであまりにネガティブなメッセージを発信し続けてしまえば、リアルでつながっている周りの人々に余計な心配を与えたり、マイナスイメージを与えたり、余計なアドバイスをもらったり、そのネガティブ状態につけこまれたりすることもあります。

とはいえ、つらいときに「つらい」と言える場所がないのは、本当に苦しいこと。人間は、「つらい」と発信するだけで、誰かにそれに共感してもらえるだけで、精神的なつかれを減らすこともできるからです。

ネットで「つらい」と言いたいときは…

近藤弥生子さんの著書『オードリー・タンの思考 IQよりも大切なこと』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

なので、リアルな場所でつらいと言える場所がない、せめてネットではその毒を吐きたい……という場合には、それ専用の匿名SNSアカウントを作るのも1つの手。そうすれば、リアル社会での影響は及びにくい。実際、そうやって実生活の幸せを保つために匿名アカウントを持っているママパパは大勢います。

つらいときは、気兼ねなくつらいと言える場所を確保すること。そのつらい状況を変えるために、できる努力はやってみること。幸せを諦めないこと。これは、シングルマザーでなくても大事なヒントなのではないでしょうか。

というわけで、今回学んだつかれない家族になるヒントは……

あらゆる努力をしたけどパートナーとうまくいかなくてつかれた

結婚は、努力も必要だけど、相性も絶対にある。
そしてそれは結婚前に見抜くのはかなり難しい。
「離婚」は解決の選択肢の1つとしてアリ。

こうして台湾でのシングルマザー生活を数年続けた近藤さん。次回は、そんな彼女の再婚と、それにあたって気をつけたことを紹介します。

 

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ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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