熱狂なく意外と冷静 iPadの静かな船出
アップルの多機能タブレット型端末iPad(アイパッド)が米国でついに発売された。3日、全米に200店舗以上あるアップルストア(直営店)や大手量販店「ベストバイ」などで売り出され、初日で販売台数が30万台を突破したという。
アイパッドはネット接続や音楽・映像再生だけでなく、米国で普及し始めている電子書籍を閲覧できるのが大きな特徴だ。アップルは3月27日時点で「初日発売分は先行予約で手いっぱい。新規予約分は4月12日出荷になる」と公表。事前の人気ぶりが喧伝されていたため、予約をしていなければ、店舗での入手が困難とみられていた。
だが、実際のところは「当日に並べば手に入る可能性がある」(直営店)との声もあった。
前日、アップル共同創設者のスティーブ・ウォズニアック氏がサンノゼの直営店に並ぶと報じられたことから、22時ごろに訪れると「18時から並んでいた」という同氏は列の4番目。この時点で並んでいたのは8人だった。「前日から並ぼうと思ったが、行列がないので当日にした」と会計ソフト会社に勤める男性は話す。
当日9時のオープン時には同店舗に長い行列ができていたが、向かいのベストバイに行列はなし。開店10分前に渡された整理券番号は7番だった。夕方、西海岸にある直営店とベストバイ6店に問い合わせると「64ギガバイト版が一つある」という店が1店のみ。週明けにはすべての店で売り切れていた。