日経平均3万円だけを見る投資家が見誤る真実 「史上最高値」更新の「重い扉」がようやく開いた

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実は1月20日の「ドル建て日経平均株価を見るのが超重要なワケ」でもご紹介したが、もう一度整理すると以下の3つだ。

3つの重要指数が日経平均の先行きを暗示する

① 日経平均トータルリターンインデックス

日経平均株価は配当を考慮していない指数なのだが、配当込みの指数である日経平均トータルリターンインデックスを見ると、1989年12月29日の4万3200円に対し、昨年の2020年11月25日には4万3404円と、すでに約31年ぶりに史上最高値を更新済みだ。

② ドル建て日経平均株価

ドル建てで見た日経平均株価は、31年前の1989年12月27日に273.06ドルという史上最高値をつけた。だがその後は下落。2004年4月28日に63.16ドルで大底をつけ、2009年3月10日に71.50ドルの2番底から上昇に転じた。

2020年のコロナショックで3月19日に149.52ドルまで急落したものの、その後は急騰を継続。2021年1月13日についに273.91ドルをつけ、31年ぶりに史上最高値を更新した。2月15日には286ドル台まで上昇を続けている(日次、終値ベース)。円建ての日経平均株価はなおピークから23%安でも、相対的なドル安円高が相殺して史上最高値を更新している。

③ 日経500種平均株価

日経500種平均株価は、毎年1回、過去3年間の売買高、売買代金、時価総額をランキング化して上位500社を選び直している指数だ。毎年大幅な入れ替えを行っており、指数の連続性はあまりないが、比較的若い有力企業が多く含まれていることもあり、非常に重要だ。

この指数は1989年12月29日に2406.47円という史上最高値をつけ、2009年3月10日に631.19円で大底を打ち、その後は急騰。昨年2020年9月28日に2430.70円と30年9カ月ぶりに史上最高値を更新。やはり現在も上昇中だ。

これらの3つの指数と比較して、まだ史上最高値を更新していない日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)は明らかに出遅れているようにみえる。

筆者は特に出遅れている「TOPIX」に注目している。すでに東洋経済オンラインなどでも「日経平均株価の史上最高値トライにはTOPIXの出遅れ解消がカギになる」とずっと主張してきた。具体的には日経平株価均のさらなる上昇には、最低でもTOPIXが2018年1月の高値1911ポイントを明確に抜けることが重要としてきた。

次ページそのTOPIXがついに1911ポイントを抜けてきた
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