日経平均3万円だけを見る投資家が見誤る真実 「史上最高値」更新の「重い扉」がようやく開いた

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そのTOPIXがついにこの2月8日、ザラ場・終値ともに明確に上抜けて来た。市場関係者から見れば、やっと日経平均株価が史上最高値を狙うための「重い扉」が開いたばかりだと言える。

今後の主役になるのは「出遅れバリュー株」

では「個人的な見解」と断ったうえで、今後数カ月間の相場展開を予想してみよう。筆者は直近である2021年1月の日本株の物色動向にヒントがあると思っている。

どういうことか。1月の主要株価指数の騰落率(前月比)からチェックしたい。日経平均株価はプラス0.8%、東証2部同6.8%、マザーズ同1.0%となった。一方、これらに比べると東証1部(TOPIX)は小幅の上昇(プラス0.2%)にとどまった。

一見膠着した相場にみえるが、実は物色対象は大きく変化しているのだ。これは以下の「2つの軸」から見て取れる。まず「強さ」だ。上昇した順でみると「大型バリュー(割安)株」>「小型バリュー株」>「小型グロース(成長)株」>「大型グロース株」となる。

一方、「プラス寄与度」で見てみると「過去1年騰落率下位株」「割安株(低PBR(株価純資産倍率)、低PER(株価収益率)等)」「高配当利回り株」「高ベータ株(値動きの激しい株)」の寄与度が高い。このように、数年ぶりに物色対象の大きな流れがグロース株からバリュー株に変わる兆しが出てきたのだ。

足元の企業業績は概ね市場の期待に添っている。もし今後も企業業績の復活が続く「本物の相場」になるなら数年以上「バリュー相場」(低PBR、低PER等の割安株がマーケットを牽引する相場)が続く可能性が出てきたように思う。

特に大型のバリュー株が、株価水準を切り上げていけば、日経平均株価と比較してTOPIX主導の上昇相場につながりそうだ。なぜなら、TOPIXは日経平均株価に比べて、バリュー銘柄の組み入れ比率が高いからだ。しかも、これまで数年間マーケットの上昇を牽引してきたグロース株が大きく下落することなく横ばい程度で推移すれば、日経平均株価も緩やかに上昇していくだろう。

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