知っていても意外と説明できない「SDGs」の本質 SDGsでいうところのサステナブルとは何か

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ダイバーシティーとインクルージョンがSDGsの項目である以上、これも「サステナブル」であらねばなりません。実はすでにダイバーシティーとインクルージョンが経営的にも有利になるような仕組みが始まっています。

例えば、私の勤めるレノボでは、購買部門が取引先を選ぶ際に、女性やマイノリティの割合が経営陣の中にどのくらい含まれているかをチェックする仕組みがあります。レノボと取引がしたい企業はダイバーシティーを推進したほうが有利になるというわけです。そしてレノボ自身もダイバーシティーを徹底すれば、同じような購買基準を持っている企業から選んでもらえるようになるというわけです。

皆さんも「エシカル消費」という言葉を聞いたことがあるかと思います。環境によいシャンプー、人道的に問題のない組織で作られた作物を買う、といった消費行動ですね。

「Ethical(エシカル)=倫理・道徳的な」「Ethics(エシックス)=倫理」といいますと少し前はパワハラや贈収賄をしないといった社員の倫理規定の意味で使われていましたが、昨今ではこうしたSDGsなどに関連した行動をしているか、会社単位でエシカルであるか、という問いの中で使われるようになってきています。

企業が「エンパシー」を得るには?

これはサステナブルな行動のほんの一例にすぎません。環境問題も含め、SDGsで挙げられている項目に対しサステナブルな行動をとっているかが、今後は取引や投資の判断になってくるでしょう。実際、日本国内のレノボの取引先からも、サステナブルな経営をしているか?というかなり包括的な報告を求められる機会が最近増えてきています。

また、レノボではESGレポートという160ページからなるサステナビリティに関する取り組みのレポートを毎年発行していますが、これに加え「Diversity and Inclusionレポート」という報告書も近年公開しています。

こうした広報活動を通じてレノボに対し「エンパシー」を感じてもらえれば、レノボ製品を買ってみよう、という消費者の行動にもつながります。さらに、そう評価した投資家に株を買ってもらえます。ダイバーシティーに力を入れることが会社の発展につながり、ここでもまた「サステナブルな」ループが回り始めるというわけです。

サステナブル、ダイバーシティーとインクルージョン、エンパシー、エシカル。今回はカタカナ語のオンパレードでしたが、少しは肚落ちしたでしょうか(肚落ちという日本語を最近覚えました)。

SDGsはこうした背景がからみあって出された、われわれ経済界に課せられた行動目標です。皆さんの会社、SDGsにどのように取り組まれていますか?

デビット・ベネット テンストレント最高顧客責任者

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David Bennett

1979年にジャマイカで生まれ、カナダ国籍を持つ。カナダトロント大学大学院卒。早稲田大学にて日本語を習得、学習院女子大学大学院にて日本古典文学を学ぶ。東京でコンサルタントとして社会人キャリアをスタート。AMD社コーポレートバイスプレジデント、および同社のレノボアカウントチームのゼネラルマネージャーを務め、コンシューマー、コマーシャル、グラフィックス、エンタープライズプラットフォームなど広範な事業を手掛ける。2018年5月レノボ・ジャパン社長に就任、2022年6月から現職。古典文学が好き。

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