ネット授業で集中できない学生救う秘策の正体

顔認証で集中度合いをはかって学習効率向上

文部科学省は専修学校における人材養成機能を強化・充実するため、「専修学校における先端技術利活用実証研究」事業を進めている。全国で12の専門学校などが実証実験を受託しているが、学校法人三幸学園もそのひとつだ。同学園は全国で専門学校64校や高校、大学などを運営しており、昨年12月にCLMSを活用した実証授業を行った。

授業が行われたのは三幸学園グループの東京リゾート&スポーツ専門学校で、アスレティックトレーナー科の1年生20名が対象だ。彼らは日頃、トレーナーになるための勉強に励んでいる。

実証実験では360度カメラで撮影された先端技術映像を使ってテーピング方法の授業が行われ、CLMSで集中度が測定された。学生たちはデスクトップパソコンで映像を視聴するが、画面の左上には集中度を示すインディケーターが表示されている。学生は自分の集中度をチェックしながら授業を受けるのだ。

授業を受けた男子学生は「眠くなるとインディケーターで集中度が下がるのがわかる。そこで頑張ろうと思うと集中度が上がった。集中度100%を達成したときは『やった』と思ったし、集中度上昇が自信につながる」と生き生きした表情で語った。

女子学生は「つねに自分の集中度が画面に出ているため、緊張感をもって受講できた。通常の授業よりも集中できたと思う」とCLMSを評価している。

先述のSANKO NNLラボの調査からわかるように、オンライン授業は集中力が低下して学習効率が低下する傾向があるが、CLMSでこの課題に対処できるようだ。

自由に視点を変えながら映像を視聴

360度カメラ映像に対しては「いろいろな角度からテーピング作業を見られてよかった。実習よりも理解しやすかった」との声が多く好評だった。さらに「通学時にこの映像をスマホで視聴すれば、テーピング法がより身に付く」と学習意欲を高めている学生もいた。

360度カメラ映像は視点を固定した映像と自由に視点を選べる映像の2種類がある。固定視点映像は教員の意図したアングルで製作されているが、自由視点映像では生徒の意図したアングルからの視聴が可能だ。同校では固定視点映像と自由視点映像の両パターンで実験を行ったが、学生の集中度が高いのは自由視点映像のほうだった。

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