「コロナの本当の収束」想定しうる妥当シナリオ 2021年5月以降、これ以上の波はやってこない?

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昨年の夏はこわごわと外に出なかったひとたちが半分、積極的に外に出たひとたちが半分くらいでした。そして結果として若者の新規感染者が目立つ第2波がやってきました。しかし第2波は、現在の第3波ほどの社会問題にはならなかった。理由は重症者に割り当てられた病床に余裕があったからです。

現在、緊急事態宣言がなかなか解除されない最大の理由が病床の逼迫です。特に今年1月は東京の逼迫率が高く、入院を必要とする患者の数が病床数を上回り、高齢者で発熱した陽性患者が入院を断られるケースが出てくるところまで事態は悪化しました。医療崩壊寸前、ないしは現場によってはもう医療崩壊が起きているということで、昨年のパンデミック以降の最大の危機を迎えていたわけです。

これが2月10日頃にはいいほうに向かい、東京都でも病床使用率が60~75%程度と余裕が出てきました。同時に1人の陽性者が何人にうつすかを示す実効再生産数も0.7台に下がってきています。病床使用率は新規陽性患者数が減少してから2週間くらい後に効いてきます。今、すでに東京都では1週間の新規陽性者が解除基準である一日500人をここ1週間の平均では下回ってきていますから、このままいけば2月下旬には病床利用率でも解除基準が見えてくるはずです。

昨年の第2波は危機的状況ではなかった

東京都の重症者数は1月20日の160人が最大時で、現在は100人ちょっとまで落ちてきています。昨年の第1波では4月28日の105人が重症患者数のピークでした。これらの水準を危機的な状況ととらえると、それと比べれば昨年夏の第2波は、病床使用率の面では危機とはいえない状況だったことは確かです。

気温の高い夏は新型コロナが勢力を落とすのです。実際2020年7月10日時点で東京都の重症患者数は5人まで落ちました。そこから第2波が来て8月23日には第2波のピークとして39人まで重症者は増えます。夏でも死者も出ました。しかし重症者数が東京都で50人を超えるのは11月末、そこまでは新しい生活様式の下での日々でわたしたちは持ちこたえたわけです。

次ページ以上からまとめてみた未来予測の基本シナリオは?
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