インドネシア鉄道、地方でも「205系」が快進撃

元武蔵野線、首都圏以外で初の電化区間に登場

この状況を反映して、長距離輸送の特急・急行列車がメインのKAIにあって珍しく、ジョグジャカルタ―ソロ間には以前から都市間快速が設定されていた。つまり、電車運転を開始する下地が整っていたのである。

今回、ジャカルタ首都圏以外での初の電化が、第2の都市であるスラバヤでも、そしてバンドンでもなく、ジョグジャカルタになった理由がこの点である。コロナ禍前の利用者数は1日1万人ほどだったが、将来的には1日7万人程度の需要を見込む。

気動車の快速から電車へ

ジョグジャカルタ―ソロ間の都市間列車は、1963年にドイツから輸入されたステンレス製気動車「ホワイトホース号」こと、MCDW300系によって運転を開始した。しかし、部品供給に問題があったことから、1980年ごろまでに運行を終了している。

まだ腕木式信号機が残っていたころの、気動車による快速プラメクス=2018年(筆者撮影)

この区間に再び都市間列車が走り出すのは1994年のことだ。当初はディーゼル機関車牽引による客車列車で、このとき、「プラメクス」(Prambanan Express)という愛称が設定され、快速運転を開始した。1998年からは、もとはジャカルタ首都圏に円借款で導入されたMCW301・302系気動車をカミンズ製エンジンに換装して投入。さらに2006年からは、オランダとベルギーの援助によって首都圏に導入されたものの、故障が相次いでいたボンバルディア製の通勤電車(Holec)を改造した電気式気動車KRDEを投入した。

また、2007年からは複線化工事の進捗を受け、朝夕の一部列車はジョグジャカルタの東約60kmのクトアルジョまで延長運転を開始した。

2021年1月時点では、基本的にKRDEを用いた快速プラメクスが1日に10往復設定され、運賃は均一8000ルピア(約60円)、ジョグジャカルタ―ソロ間を75分前後で結んでいた。そして今回の電化開業により、同区間は電車化されることとなった。なお、クトアルジョ―ジョグジャカルタ間は引き続き気動車で運転する。

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