肉食ダイエットに励む人が見落す不都合な真実 食べすぎも食べなさすぎも健康に害をおよぼす
ダイエット目的で、赤肉をたくさん食べることを勧める本やネット記事などがあります。日本人は赤肉の消費量が少ないので、それほど心配いらないとはいえ、たくさん食べると発がんの可能性もありますし、また、心臓病のリスクにもなることがわかっています。ほどほどな量にとどめておくのがいいでしょう。
赤肉が、がんのリスクになることは、欧米での多くの研究でエビデンスが示されており、信頼性は高いと言えます。
しかし、前述のように、日本人においては、赤肉や加工肉の摂取量が欧米と比べると少ないので、それほど大きなリスクとは言えません。食べすぎなければ、大きな問題にはならないと言えます。
しかし、毎日のように大量に食べている人は、週500g以下に抑えるようにしたほうがいいでしょう。また、日本人で一生のうちに大腸がんになるのは12人に1人ですが、「がんのリスクが1.2倍程度上がる」とするとき、生涯で大腸がんになる確率が12人のうち1.2人になる程度です(そもそも、12人に1人というのは、赤肉だけでなく、あらゆるリスクの人を含んだ計算であり、ざっくりした数字だと思ってください)。この数字を見ると、「それほど変わらない」と思う人もいるのではないでしょうか。
「ゼロか百か」に陥ってはならない
また、その一方で、「赤肉はまったく健康に問題がない」という論文に関しては、エビデンスの信頼性は低いと言えるでしょう。
逆に、発がんや心臓病が怖いからまったく食べない、という選択をすると、人によってはビタミンやタンパク質が欠乏してしまう可能性もあるので、「ゼロか百か」という極端な選択に走ることなく、バランスのよい食生活をしたほうがいいでしょう。
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