プロ野球名物、乱闘シーンが消えたワケ

元プロ野球選手、川崎憲次郎氏に聞く「若者論」

投げることを恐れる投手が増えた?

原田:じゃあ川崎さんが選手だったときと今の若い選手を比べて、よくなった点、悪くなった点はどこですか?

川崎:よくなった点は、身体能力。今はみんな速い球を投げるじゃないですか。僕らのときは150キロ出たら快速球でしたけど、今は150キロなんて普通でしょ。身長もかなり伸びているし、ピッチャーの体格も変わりましたよね。たとえばダルビッシュは見た目から細い。スリムでスマートな感じのピッチャーが増えた。

原田:日本ハムの大谷君(編集部注:大谷翔平選手。2012年にドラフト1位で北海道日本ハムファイターズに入団。投手と打者の「二刀流」をこなす選手として注目を集めている)とかそうですよね。

川崎:大谷くんもそうだし、あと阪神の藤浪君(編集部注:藤浪晋太郎投手。2012年にドラフト1位で阪神タイガースに入団。197センチの長身で最速155キロを投げる右投手)。昔はガタイがものすごく大きいピッチャーや選手が多かったんですけど。今は、体型と実力のバランスがちょっと変わってきているんじゃないかと思いますね。

原田:じゃあ、悪くなった点は?

川崎:闘争心ですかね。あいつらも出しているとは思うんです。でも、中には投げることを怖がるヤツがいるんですよ。

原田:投げるのを怖がるとはどういうことですか?

川崎:打たれたらどうしようとか、結果を気にしすぎるんですね。僕らから言わせてみれば、そんなもん考えようが考えまいが一緒なんですよ。だから思い切って投げるしかないんですけど。それがピッチャーとしていちばん大事なところなんですね。度胸だとか、相手に向かっていく気持ち。

精神論になるけど技術がないんだったら、精神力でカバーするしかない。できないヤツが何人かいたときはさすがに怒鳴りましたね。「何やってんだよお前! そんなに相手が怖いのか!」って。今はほえるピッチャーが少ないですよね。 “昭和のピッチャー”って向こう気が強くて、ぶつけようが何しようが俺が前に出て行ってやるみたいな感じじゃないですか、ぶつけているのに(笑)。

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