プロ野球名物、乱闘シーンが消えたワケ 元プロ野球選手、川崎憲次郎氏に聞く「若者論」

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他チームの選手とつるむ若手が激増

原田:今の若い選手たちと接していて、自分たちのときにはなかったなっていうエピソードってありますか?

川崎:まずは、あいさつ。今は普通に「おはようございます」とか言いますけど、昔は「うぃっす」みたいな、そんな感じですよ。それでよく野村(克也)監督に怒られてたっていうね(笑)。

それから、他チームの選手や監督と話す機会は、ものすごく増えたなと感じますね。僕たちのときは、他チームの選手とはあいさつ程度はいいけど、それ以上は話すなという感じだったんですよ。

今はどこのチームも試合前でも話をしたり、自主トレを一緒にやったり。昔だったら考えられないですね。確かに人と人との付き合いとしては、すごく幅も広がるけど、じゃあ野球人としてはどうなのか。自分がピッチャーで、個人的に仲のいいバッターが打席に立ったとき、(球を)ぶつけるぐらいの気概できわどいところを狙えるのか。勝負する場面で、良心が働いて相手に甘くなったら、自分が痛い目に遭いますよね。

原田:じゃあ川崎さんは、基本的には現役のうちは他球団の選手とあまり接さないほうがいいと思っている?

川崎:昔はみんなそうだったんですよ。もちろんあいさつぐらいはしますけど。

原田:たとえば、当時、ジャイアンツの選手とすごくしゃべるとか、飯食いに行くとか……。

川崎:いっさい行ったことないですよ。

原田:へえ。

川崎:だって、いまだに自分のチームの人間とも行かないですからね。選手とは絶対にいっさい行かないし。

原田:行く人は行ってたんでしょう?

川崎:だと思いますが、僕は知らないですね。

やっぱり、ひとり仲のいいヤツを(食事に)連れて行くと、それを見てたヤツが「なんなんだよ、あいつ」って思うわけです。連れて行った選手も嫌な思いをすることになる。

行くんだったらまったく行かないか、みんな連れて行くかですね。僕はコミュニケーションというのはできるかぎり、グラウンドの中でやりたいと思っているんです。

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