ルノー日産・ダイムラー提携、ブリュッセルの会見での質疑応答・一挙掲載【ルノー日産・ダイムラー提携会見(3)】

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--雇用の創出はあるか。

ゴーン会長 今回の提携で稼働率が上がることは明らかである。

--グローバルに見て、消費者の(環境)意識は向上している。2012年から欧州CO2排出規制がさらに強まる。こうした環境要因が今回の提携合意にどれくらいの役割を果たしたか。

ツェッチェ会長 ダイムラーにとってはかなり大きな役目を果たすことになるだろう。そもそもこの交渉は、ダイムラーの製品ラインナップで、もっともCO2削減に効果があるというところを中心に話をして、そのあと小型エンジンの話になった。われわれにとって、明らかに環境は大きなファクターだ。われわれの技術力は補完性があるということもわかってきた。小型エンジンを採用して、大型エンジンを効率化することによって、効率的な小型エンジン開発も可能である。

ゴーン会長 決して忘れてはならないのは、今回の協力関係は電気自動車にも及んでいることだ。ルノー日産はEVの量販を始めようとしている。バッテリーも自社で開発した。ダイムラーもEVを開発している。これを対象にさらに規模を拡大し、スタンダードを確立していきたい。

ハイブリッド車でも協力を検討する。共用化も考えたい。消費者の環境意識が高まっているが、手ごろな環境車を求めてもいる。だから、スケールが重要だ。投資をグローバルに抑えることも重要だ。完璧な車でも、誰も買ってくれなければ意味がない。

ツェッチェ会長 EVはスケールがもっとも大きな要素になる。コスト構造や価格レベルを抑制できるかどうかが必要。自社単独では無理で、協力するからこそできるのではないか。

--今回の提携は、ダイムラーとBMWの協業にも補完関係があるのか。

ツェッチェ会長 戦略的なチャンスとして、小型車ビジネスを、スマートを中心として強化しなくてはならない。大型乗用車は、プレミアム市場で強い地位を確立している。今日の発表とも補完性はあるので大丈夫だ。

--CO2排出は大きな提携目的の1つか?

ゴーン会長 CO2エミッションは1つのカギとなった理由ではあるが、そのために協力関係を結んだわけではない。あくまで1つの要素だ。 

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