河井案里氏、議員辞職に込められた「ある思惑」 4月に3選挙区で補選、全敗なら「菅おろし」も
2019年参院選における巨額買収事件で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告(自民党を離党)が2月3日、議員辞職した。
案里被告は、2020年6月に同事件で逮捕・起訴された夫で元法相の河井克行被告(自民離党・公判中)とともに、その後の公判で無罪を主張してきた。2020年10月の保釈後も雲隠れしたまま議員活動もせず、「歳費泥棒」と批判されて与党内からも議員辞職を求める声が強まっていた。
4月25日の統一補選に込められた思惑
折しも、与党4議員による「銀座の夜遊び」が発覚して、議員辞職や離党に追い込まれたばかり。案里被告の議員辞職には、政権運営への打撃を恐れる菅義偉首相や自民党の二階俊博幹事長の意向も影響したとみられている。
案里被告の辞職により、4月25日の衆参統一補欠選挙の1つとして参院広島選挙区の補選が実施される。同統一補選では、「鶏卵」汚職に問われた吉川貴盛元農水相(自民離党)の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、立憲民主党参院幹事長だった羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う参院長野選挙区の実施が決まっていた。
これにより4月25日の補選は現時点では3選挙区となるが、自民党はすでに北海道2区の不戦敗を決めている。候補者を擁立している参院長野は「羽田氏の弔い選挙なので勝ち目はない」(地元県連)との見方が支配的だ。
これに対し、2人区の参院広島は残る現職が立憲民主党所属議員で、「改選をにらむと野党は強力な候補を出しにくく、自民党に勝機がある」(自民選対)とみられている。そのため、統一補選全敗を回避したい自民党の思惑が、案里被告辞職の背景にあるとみられている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら