河井案里氏、議員辞職に込められた「ある思惑」 4月に3選挙区で補選、全敗なら「菅おろし」も

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4月25日の補選は、その時点でのコロナ感染状況や東京五輪開催の可否などによって有権者の反応も変わるとみられる。ただ、ここにきて地方選挙で自民党の惨敗や取りこぼしが相次いでいる。3補選が全敗となれば、10月までに実施される次期衆院選に向けて、自民党内で「菅首相では選挙を戦えない」として「菅おろし」の声が噴き出す可能性もある。

もし圧倒的な保守地盤の広島補選で自民が勝てば、「1勝1敗1不戦敗でダメージは半減する」(自民幹部)との読みもある。すでに自民広島県連は地元の有力経済人か地元出身のキャリア官僚の擁立に向けて調整を進めている。「保守地盤だから与党が固まれば負けない」との見方が多い。

浮上した「ウルトラCの秘策」

ただ、次期衆院選での政権交代を目指す立憲民主など主要野党にとって、「4月25日の補選に全勝すれば、一気に勢いがつく」(立憲民主幹部)のは間違いない。このため、「4年後の改選など考えず、野党統一候補で勝ちにいくべきだ」(同)との声も相次ぐ。

対する自民党も「公明党とも連携して。万全の選挙態勢で臨まないと、足をすくわれる」(選対幹部)と不安を隠せない。

そこで、与党内の一部に「ウルトラCの秘策」(自民選対)として浮上しているのが、克行被告の議員辞職による広島3区での補選実施だ。同被告の公判は途中で案里被告と別になり、東京地裁の判決は3月末以降になる可能性がある。広島3区を4月25日の補選に加えるためには、3月15日までに克行被告が議員辞職することが必要だ。

克行被告はこれまでの公判で徹底抗戦の姿勢を続けており、「議員辞職の気配はまったくない」(被告周辺)とされる。克行被告はもともと菅首相の側近で、辞職した案里被告は二階幹事長の率いる二階派の特別会員だった。そのため、「菅首相や二階幹事長が秘かに圧力をかければ、克行被告も辞職を受け入れるのでは」(自民幹部)との指摘もある。

「広島3区の特殊な選挙事情」(自民県連)もある。克行被告の離党に伴い、地元では与党としての後任候補擁立で調整が進んでおり、「いつでも臨戦態勢がとれる」(自民選対)からだ。

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