ミャンマーの若者たちが示す静かで力強い蜂起

SNSを武器に軍への批判を世界へ向けて発信

ミャンマーの最大都市ヤンゴン。敬虔な仏教徒の多いこの国は民主化後に急速な経済発展を遂げ、外資の流入も加速している。拘束されたスー・チー氏への国民人気はいまだ根強い(筆者撮影)

ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問や与党の幹部が、ミャンマー軍に相次いで拘束されたことが、世界中のメディアで報じられている。軍は非常事態宣言を出して政権を掌握したと発表、現在スー・チー氏は自宅で軟禁状態に置かれている。

現在のところ市民生活に大きな影響は出ていないものの、大部分のエリアで一時インターネットアクセスが遮断され、テレビや電話などが使えない状態も起きた。今後1年間にわたって非常事態宣言が発令されたという状況下、SNS上で市民が声を上げ始めている。フェイスブックのデータによると、「#SaveMyanmar(ミャンマーを救え)」のハッシュタグを使った投稿は約40万に上っている。

ヤンゴンに住むドキュメンタリー監督の女性は2月1日11時半(ミャンマー時間)、こうポストした。「すべてのインターネットが40分以内でシャットダウンされてしまうらしいわ。みんな気をつけて! 私は今すでにお母さんに電話が繋がらない状態です!」

本当の自由は恐れからの自由

続けて、午後7時にはプロフィールのアイコンを「The only real prison is fear, and the only real freedom is freedom from fear(本当の監獄は恐れです、そして本当の自由は恐れからの自由です)」と書かれたスー・チー氏の凛々しい顔が描かれたイラストに切り替えて、連帯の意を表した。

Facebook上でプロフィールアイコンを「本当の自由は恐れからの自由だ」という文言が記されたスー・チー氏のイラストに変え、連帯の意を示し始めたミャンマーの若者たち(写真:Facebookより)

ヤンゴンでヘルスケア関係のスタートアップを立ち上げ、国内外に活躍の場を広げている女性は2月1日正午、「私たちのリーダー、アウン・サン・スー・チー。2020年の選挙で勝利したのは紛れもなくNLD(国民民主連盟)です。私たちのリーダーを支え続けましょう」と投稿。続けて13時半には、「もしFacebook友達の中で、国軍の権力を喜んでサポートしている人がいるならば、どうぞ私を友達から外してください 政治的に異なる意見は受け入れます。ただ、武器や弱者への攻撃は到底受け入れません。このような卑しい行動をとる人々と友達でいることはできません」と強い調子で述べ、230ほどのLikeが寄せられている。

一夜明けた2月2日も、#SaveMyanmar、#WeNeedJusticeなどのハッシュタグをつけて「これからの数日間において、私たちから何も便りがなければ、国軍がインターネットをカットして、私たちの言論の自由を奪ったということを知っておいてください。ミャンマー市民として、今回の動きは到底賛同できるものではなく、世界のリーダーたちにリクエストしたいのです。国連や世界のメディアの皆様、私たちの国、私たちのリーダー、私たちミャンマー人をどうぞこの苦々しい行動から救ってください。私たちが求めているのは民主主義であり、私たちの近隣の国々が成し遂げてきたような発展を必要としているのです」などと訴えた。

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