「在宅勤務は残業代ゼロ」が不当扱いと言える訳 労働時間は算出でき、労働基準法も適用される
管理職以外の平社員が、法定時間外労働や法定休日労働をする場合には、「36協定」に従って一定の基準外賃金に相当する(法定外)「みなし手当」が支払われます。ただし、残業や休日出勤にあたる分を働いたという証明が必要になります。
テレワークをすることで、働く人が正しく評価されないまま不当な扱いを受けないよう、会社は事前に業務内容、賃金制度などについて働く人と話し合い、通常の賃金制度と異なる場合には、就業規則を作成・変更して届け出なければならないと定められています(労働基準法第89条2号)。まずは、会社に就業規則等を確認し、改善のために話し合う必要があります。
民法改正によって変わる残業代請求権の消滅時効期間
新しい働き方、雇用形態の変化など、時代の流れに合わせて労働関連の法律も改正されています。ここでは、賃金請求権の消滅時効期間について紹介します。
賃金請求権の消滅時効期間について、労働基準法ではこれまで過去2年としてきましたが、2020年3月の法改正で、「消滅時効期間は5年とするが、当分の間は経過措置として3年とする」という内容に改正されました。働く人は今後、過去3年分の残業代を請求できるようになります。ただし、消滅時効期間が3年間になるのは、改正法の施行後、つまり2020年4月1日以降に発生した賃金請求権ですので、それ以前に発生した賃金請求権の消滅時効期間は、従前どおり2年間となります。
ちなみに、残業代の裁判では未払残業代と同額の付加金の支払いを裁判所が使用者に命じることがありますが(労働基準法第114条)、この付加金を請求できる期間も、従前の2年間から3年間に伸長されています。なお、退職金だけは、従来通り請求権の消滅時効期間が5年間とされています。
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