「孫への教育費贈与」で税金をタダにするコツ 2021年4月以降は要件厳格化に注意が必要だ

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2013年に創設された「教育資金贈与の優遇税制」。相続税が節税できるうえに、子どもや孫からも感謝もされる。大いに活用したいが、注意すべきこととは?(写真:よっし/PIXTA)

コロナ禍で収入が減った人、今後の収入に不安を感じている人も少なくないでしょう。一方で、子どもの教育費は下がらず、しかも、待ったなし。そこで可能な範囲でお願いしたいのが、祖父母(つまり自分の親)から孫への教育費の贈与です。

祖父母から孫へ、1500万円まで、非課税で贈与してもらうことができます。さらに、結婚や子育て費用に使うお金も、1000万円まで非課税で贈与を受けることができます。今回は、こうした贈与の活用法についてお話ししましょう。教育資金の贈与については、制度の延長が決まったものの、内容が厳格化しており、また結婚や子育て費用の贈与は今年3月末までの措置なので、いずれも早めの手続きが賢明です。

「30歳未満の孫」へ1500万円まで非課税で贈与可能

まずは教育費の贈与についてみていきましょう。

祖父母と孫といった関係であっても、年間110万円を超える贈与を受けると贈与税がかかります。例えば1000万円の贈与を受けると、贈与税は275万円、1500万円では500万円にも上ります。しかし「教育資金の一括贈与」という制度を利用すると、祖父母から孫への贈与が1500万円まで非課税になります。

贈与を受けるのは30歳未満の人で、「学校等に支払われる教育費」なら最大1500万円、「学校等以外に支払われる教育費」では、最大500万円が非課税となります。

「学校等」には幼稚園、小・中学校、高校、大学や、特別支援学校、高等専門学校、大学院、専修学校、認定こども園、保育所のほか、海外の学校(その国の学校教育制度に位置づけられている学校)、国内のインターナショナルスクールや外国人学校なども含まれます。非課税になるのは、それらの授業料や保育料、入学金、学用品費、修学旅行費、学校給食費などに使った場合です。

学校等以外に支払われる教育費としては、学校等以外に対して直接支払われる金銭のうち、教育を受けるために支払われるものとして社会通念上相当と認められるものです。例えば、学習塾等の教育に関する役務の提供の対価や施設の使用料、スポーツや文化芸術に関する活動にかかる指導への対価、これらに使用する物品の購入費などが教育資金の対象に含まれます。

制度を利用するには、信託銀行などの金融機関と教育資金管理契約を結び、贈与された資金を信託します。資金を教育費として使う際には、非課税の対象なる教育費であることを証明する領収書などを提出します。

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