河井被告有罪で問われる菅、二階氏の政治責任 混迷気味の議員辞職問題、リーダー失格の声も

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案里被告については、地元の広島で公設秘書の有罪確定に伴って連座制適用を求める行政訴訟も起こされており、検察側が勝訴すれば、その時点で案里被告は失職する。一方、1審判決を受けて案里被告が3月15日までに議員辞職を申し出れば、4月25日の衆参統一補欠選挙に、参院広島選挙区も追加されることになる。

有罪判決を受けた案里被告は21日、「主張の一部しか受け入れられず、大変遺憾。判決内容を精査し、今後の対応を検討したい」と進退には踏み込まないコメントを出した。

一方、菅首相は同日夕、記者団に対し「行政の長として、個別事件の裁判所の判断について、所感を申し上げるべきではない」と案里被告の進退問題に踏み込むことを避けた。

岸田氏や公明党は議員辞職を求める

自民党本部から案里被告の陣営に1億5000万円もの資金が提供されたことについて再調査の必要性を問われても、菅首相は「総裁になって報告を受けている。党で所定の手続きを得たうえでルールに基づいて交付されている」と事実上、再調査を否定した。二階幹事長も「判決が確定していない中でのコメントについては差し控えたい」と素っ気なく答えた。

案里被告と夫の克行被告はともに自民党を離党しているが、案里被告は自民二階派に特別会員としてとどまっている。しかし、二階氏は「党としてはつねに襟を正し、引き続き緊張感をもって国民の信頼回復に努めてまいる所存だ」と一般論でかわした。

一方、自民党内では岸田文雄前政調会長が案里被告に説明責任を果たすよう求めたうえで、「どう身を処されるか、しっかりと自分で考えていただきたい」と暗に議員辞職を決断するよう求めた。また、公明党の石井啓一幹事長は「判決を1つのけじめとして、議員辞職をすべきではないか」と即時辞職を要求した。

もちろん野党側は「即時議員辞職は当然」と口をそろえ、案里、克行両被告が議員辞職しない場合、自民党総裁の菅首相の政治責任は重大として、国会で厳しく追及する方針だ。

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