持病抱えた人は今、通院にどれだけ慎重なのか 緊急アンケートでわかった患者の受診意思

✎ 1〜 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、「受診を延期してもらう」や「受診を取りやめる」と答えた患者の中には、「受診に緊急性がないため」「できるだけ外出を控えている。まだ、薬があるので延期しようかと思う」といった声もあった。また、「通院に公共交通機関も利用するため不安材料が多い。通勤ラッシュの時間と重なってしまう」「コロナ感染が恐いから」「クラスター(感染者集団)が身近で発生しているため」「娘の里帰り出産時期と重なるため」などと不安を訴える声も聞かれた。

政府は新型コロナ感染拡大に対応して、医療機関に行かなくてすむような、電話やPCなどを通じたオンライン診療で初診を認めるなどの時限的・特例措置を講じている。政府は同措置を3カ月ごとに検証し、継続するかどうかを検討しているが、新型コロナの感染拡大が続いているため、同措置は継続されている。

そこでアンケートでは、患者にオンライン診療の利用を検討しているかどうかについても聞いた。その結果、「検討する」が39.6%で、「検討しない」が28.6%、「わからない」が30.8%だった。

オンライン診療を「すでに実施している」は1.0%で、電話診療を通じて薬を処方されている患者もいた。その中には、「次の通院の予約は3カ月後。今の状況よりよくなっていると信じているが、今より感染が拡大している場合には、電話診療を考える」といった声がある一方、「オンライン診療では処方できない薬や検査があるため」といった事情もある。

医療機関にとって楽観できない状況続く

医療機関の経営環境は厳しい。新型コロナが感染拡大していた中で急性期病院の経営状況について、当社がデータ提供医療機関(376病院)から二次利用の許諾を得た匿名加工情報を用いて集計した結果、いわゆる第2波とよばれる期間にあたる7月と8月は、入院・外来とも患者数・収益が前年同月と比べて減少しているものの、最初に感染が拡大した第1波にあたる期間の4月と5月と比較すると、減少幅は縮小していることがわかった。

次ページグラフで詳しく見てみると?
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事