コロナ禍に新たな脅威「新型インフル」に要警戒 起源となる鳥インフル拡散、殺処分が過去最多

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鳥インフルエンザが確認された養鶏場の防疫作業のため集まった関係者(写真:共同通信)

昨年末からの新型コロナウイルスの感染再拡大で、11都府県に緊急事態宣言が発出された。この緊急事態宣言の法的根拠となっているのが「新型インフルエンザ等対策特別措置法」である。そもそも新型インフルエンザの発生に備えて施行されていたものだった。これを昨年3月に改正して、新型コロナウイルスも適用対象とした。

つまり、それだけ新型インフルエンザの発生は脅威であり、いずれは発生することを前提に備える必要があった。アメリカでは、その致死率を20%と想定している。現在までの新型コロナウイルスの致死率は日本で1.5%、世界で2.2%とされる。

その新型インフルエンザの起源となるのが、鳥インフルエンザだ。新型コロナウイルスの蔓延で、あまり大きくは報じられていないが、この冬の日本では、かつてないペースで鳥インフルエンザが拡散している。

鳥インフルエンザは、シベリアや中国からの渡り鳥が運んでくる。その糞などから養鶏場にウイルスが入り込むと、抗体を持たない鶏にたちまち感染して大量死する。

鶏の殺処分は過去最多の600万羽

昨年11月5日に香川県の養鶏場で最初に確認されると、同じ地域の養鶏場に相次ぐ。その後、福岡県と兵庫県で、12月に入ると宮崎県内の養鶏場に広まり、奈良、広島、大分、和歌山、岡山、滋賀、高知、徳島の各県で、西日本を中心に広範囲で確認されていく。

そして12月24日には、千葉県の養鶏場で確認され、ついに関東にまで襲来した。今年に入ると、1月2日に岐阜県で、11日には再び千葉県で確認された。13日には鹿児島県でも確認されている。

鳥インフルエンザは家畜伝染病として、発見された養鶏場のすべての鶏が殺処分され、埋められる。これまでに、15県の36カ所の養鶏場で発生し、殺処分は600万羽におよぶ。過去最多が2010年から11年にかけて宮崎や三重など9つの県での約183万羽の殺処分だったことから、今冬の異様さが浮き彫りになる。

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