あのビル・ゲイツが「トイレ革命」に挑戦する訳 2億ドルを投じて新しい汚水処理装置を開発
「トイレに溜めた排泄物を燃料にできないか?」
「トイレで便を燃やして自己給電できないか?」
「トイレの機能から配管や水をなくせないのか?」
ビル・ゲイツはピーター・ジャニキに、次々と課題を持ちかける。
そして18カ月をかけて、水も電気も使わず、排泄物を溜めるタンクもいらない汚水処理装置「オムニプロセッサー」を開発した。
オムニプロセッサーは次のような装置だ。
(2)自己発電。蒸気エンジンで汚水処理装置に電力を供給する
(3)蒸気の水は飲用にする
排泄物が見事に飲用水に変身
この装置の完成にビル・ゲイツは満足する。5分前にはウンチだった水をピーター・ジャニキから受け取り、ゴクゴクと飲み干してみせる。パフォーマンスだったとしても、なかなかできることではない。真剣さが伝わる。アフリカのダカールの子どもたちが、浄化装置から生まれた水をおいしそうに飲む様子も映される。
オムニプロセッサーの完成をビル・ゲイツは中国の北京で発表するが、もう1つ重要な課題があった。コストだ。
この装置を1台組み立てるには約5万ドル(約525万円)かかる。そんな高額では、アフリカでは普及しない。なんとしても量産体制をつくり、1台500ドル未満にしなくてはならない。それには量産でコストを下げられる製造業者を見つける必要があった。
そこで手を挙げた会社がLIXILだった。
えっ、日本のメーカーじゃないか!
画面の前で思わず叫んだ。番組『天才の頭の中 ビル・ゲイツを解読する リミテッドシリーズ パート1』は次のテロップで終わる。
「2018年11月 世界屈指の製造業者リクシルが――ビルのトイレの量産を発表しました」