「国内ラリー」がいまいち盛り上がらない理由 地域に密着するラリー競技の難しさと課題

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「コロナの影響で『やらないほうがいい』と判断したオーガナイザーは多い。参加者だけでなく、競技を仕切る関係者、競技の安全を確保するオフィシャル、そのほかメディア関係者なども含めれば、相当な人数が一堂に会することになる。開催地の人からすれば、こんなときに多くの人が地域に入るのは望ましくないと考えるのは当然だろう」(新井敏弘選手)

シーズン中の新井敏弘選手(Copyright © STI)

ラリーは、地域密着型のモータースポーツだ。主催するオーガナイザーは、地元に精通したラリーチームやJAF公認クラブが担う。その地元に精通したチームやクラブが「ここでの開催は難しい」と判断すれば、開催はできない。そのことが2020年シーズンに多く作用したといえる。また、競技者として新井敏弘選手はこう話す。

「モチベーションを保つのに苦労した。実質的な開幕となった新城ラリーから次のラリーまで、4カ月もあいたことで集中力も切れる。次のラリーがターマック(舗装路)なのかグラベル(砂利)なのか、開催場所が二転三転したためクルマの準備もできないし、テストもできなかった」

そんな状況の中で、全日本ラリーは4戦を終えて2020年シーズンを終了。前出の新井敏弘選手の息子でもある新井大輝選手が、全日本ラリー史上最年少でチャンピオンに輝いた。

表彰台に上がる新井大輝選手(Copyright © STI)

そんな、新井大輝選手も「開催数が少ないため、ドライバーポイントの差も少なく、常に全力で戦わなければ勝てない状況。ほんの少しミスしただけでも順位が落ちていく、常に緊張したシーズンだった」と、例年とは違う難しさを語ってくれた。

「群サイ」イベントを開催する理由

新井親子が所属するアライモータースポーツでは、シーズン中のあいている時期や、冬のオフシーズンに自社イベントを開催している。2021年1月4日には「2021群サイ走り初め」を開催した。

タイトルにある「群サイ」とは、群馬県にある「群馬サイクルスポーツセンター」のこと。名前からわかる通り、もともと自転車で山岳路などを走るために作られた施設だ。

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