「国内ラリー」がいまいち盛り上がらない理由 地域に密着するラリー競技の難しさと課題

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新井敏弘選手がドライブするスバル「WRX」のラリーマシン(写真:Copyright © STI)

2020年シーズンのモータースポーツは、新型コロナウイルスに大きな影響を受けた。国内の主なレースは、4〜7月のシーズン前半戦が軒並み中止となり、8〜9月になってようやく開幕戦を開催。例年11月に行われる最終戦は、12月に実施された。

「SUPER GT」や「SUPER FORMULA」といったレースでは、入場者数を減らして開催された。無観客レースを避けられたのは、サーキットというクローズドな場所で行うため。チケット販売をコントロールすれば、万が一、開催時にコロナ感染者が発生しても、連絡がつきやすいからだ。

一方でラリーは、一般公道を閉鎖して行われるオープンな競技だ。

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開会式や表彰式、観戦のためのギャラリーコーナーなどは入場者数のコントロールも可能だが、ラリーはクローズドな場所だけで行われるわけではない。

スペシャルステージ(SS)と呼ばれるタイムを争う競技区間のほかに、リエゾンと呼ばれる一般公道を交通ルールに従って移動する時間もある。リエゾン区間は一般公道なので、ラリー車が移動するときでも、観戦者を制限するわけにはいかない。そこが、ほかのモータースポーツとの最大の違いだ。

全10戦が全4戦になった2020年シーズン

全日本ラリー選手権(以下:全日本ラリー)の2020年シーズンは、全10戦の予定が4戦まで縮小して開催された。

例年、開幕戦として行われる「ラリーオブ嬬恋」は、2月ということもあり、コロナはまだそれほど猛威を奮っておらず、開催できると思われた。

しかし、2019年の台風被害により競技で使う道路の損傷が激しく、開催が見送られた。それからコロナが蔓延しはじめると、延期や中止という様相が、ラリー界全体を襲うようになっていった。

全日本ラリーに限らず、ラリー競技は日本の各地で開催される。コロナの感染者が確認されていない、あるいは感染者が少数である地域も存在していた。しかし、全国からラリー関係者が集まることを考えると、延期や中止はやむをえない判断だろう。

国内ラリーだけでなく、世界のラリーで活躍し、PCWRC(プロダクションカー世界ラリー選手権)でチャンピオン獲得経験もある、アライモータースポーツの新井敏弘選手にシーズンを振り返ってもらった。

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