転職したい人が見落とす「住宅ローン」のリスク 「勤続年数」は審査項目で重要視されている

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もちろん、物件価格の全額を手持ち資産で捻出できる人であれば、こうした苦労は不要です。けれども、大都市圏の物件価格は非常に割高で、ポンっと現金一括で買える人は少数派。大多数の人は住宅ローンを組むことになるため、「転職」のタイミングには十分に留意したいところです。

では、今まさに、住宅ローンの審査中に転職することになった場合はどうでしょうか。住宅ローンの申し込みから融資実行日(物件引き渡し日)までの間は、転職や退職については、本審査の申し込みをしている銀行へ報告する義務があります。

すでに本審査OKの結果を得ているケースでも、その結果は申込書に記入した情報をもとに審査を行い、年収だけでなく今の勤務先の内容についてもしっかりと調べたうえで判断されています。

数十年に及ぶ住宅ローン返済を担保する根拠を、銀行は今の勤務先に見いだした結果で住宅ローン審査にOKを出したわけなので、勤務先を変更するということは、住宅ローンの審査そのものが無効になることを意味します。

転職したことは銀行にもバレる

さて、「転職」のことを銀行などに申告すると、申込内容と相違しているために、基本的には再審査になります。グループ会社への移籍・出向の場合は、事情を考慮されるケースもあるものの、そうでない場合は、よほどのプラス材料がなければ、勤続1カ月に満たない人に融資する銀行があるとは考えにくいです。住宅ローンが借り入れできなくなると、当然住宅購入の話はなかったことになるのは目に見えています。

なお、「転職したことを銀行に黙っていてもバレないのでは」と思う人も少なくないようです。けれども、住宅ローンの本審査や融資実行日当日には、転職したり退職していないかを調べる目的で、金融機関は健康保険証(原本)を確認するのが一般的です。

住宅ローンの申込書に記載した勤務先や勤続年数が異なっていたり、就業していると申告していたのに退職していたとわかれば、銀行に対して詐欺行為を働いたとして心象も悪くなり、住宅ローンの契約を白紙に戻されることもありえます。

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