米議会突入と香港弾圧、世界が向う「2つの暗黒」

二大国が競演「ディストピアの時代」の現実

トランプ支持者が突入し、中断したアメリカ議会の上下両院合同会議(写真:AP/アフロ)

1月7日、今日も朝から新型コロナウイルス関連のニュースがあふれかえっているのだろうとテレビをつけると、目に入ってきたのは議会の議場に暴徒が乱入している映像だった。

どこかの新興国で国民の不満が爆発し、暴動が起きたのだろうと目を凝らすと、見慣れた星条旗が目に入ってきた。さらに場面が変わり、アメリカ連邦議会の議事堂正面のバルコニーが映し出された。1月20日に、バイデン新大統領の就任式が行われる予定の場所だが、ここも群衆であふれかえっていた。

暴徒らは議会内を我が物顔で闊歩し、中には民主党のナンシー・ペロシ下院議長の執務室に入り込んで椅子に座った姿をネットに流す者もいた。警官らが議場に入ろうとする暴徒に銃口を向ける。重武装した州兵が突入し、議会内を制圧する。催涙ガスも噴射された。この間、議会内に銃が発射される音が響いた。

この事件で警備にあたった警察官1人を含む5人が死亡したという。

トランプ氏があおった議会突入

群衆に議会への突入を呼び掛けたのはほかでもないトランプ大統領だった。本人がどこまで意図していたかはともかく、結果的にはトランプ大統領が権力維持のために群衆をあおり、次期大統領を最終決定するための議会の手続きを暴力で阻止しようとしたに等しい。これはもうクーデターと言ってもいい事件である。

ニューヨーク・タイムズなど多くのメディアは、連邦議会議事堂になだれ込んだ群衆を“mob”という単語で表現した。無秩序で騒がしい集団という意味だが、この言葉には「理性的でない下層民」とか「盗賊」「暴力団」などという意味もある。多くのメディアがこの非難めいた言葉を使って報じているのだ。

そして、アメリカ中に激震が走ったことは言うまでもない。

トランプ大統領は群衆の議会突入後もSNS上で、彼らの行為への礼賛をやめないため、Twitter社もFacebook社もトランプ大統領のアカウントを停止した。その後、Twitter社はトランプ大統領のアカウントを永久に停止し、Facebook社は少なくとも大統領が交代するまで停止している。

トランプ大統領はこれまで、SNSを使って民主党支持者を根拠のない言葉で批判し、自らの支持者をあり、アメリカ社会の分断を加速させてきた。アカウント停止によって最大の武器を失ったわけだが、2社の対応はもはや手遅れと言ってもいいだろう。

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