パナソニック「配送ロボット」は実用化できるか 神奈川県藤沢市で実験、21年度の収益化目指す

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

フェーズ2では、ロボットが複数店舗で商品を受け取り、利用者の自宅に届ける作業を実験する。利用者の指示通りに店舗をまわり、店舗の従業員がロボットの荷物ボックスに商品を入れ、利用者の自宅に届ける。

パナソニックは自動運転技術を着々と開発してきた。2019年からは、大阪府門真市にある本社敷地内で社員が移動する際に、自動運転ライドシェアサービスを実施していた。

同社のモビリティソリューションズ担当参与の村瀬恭通氏は「本社でのライドシェアサービスでどれだけの人が移動し、荷物を運び、時間帯によってどのルートが活用されたか、たくさんのデータが集まった」と振り返る。どのように自動運転のサービスが運用されるか蓄積を続けている。

継続課金のビジネスモデルを目指す

今回の実証実験の目的について、村瀬氏は「藤沢SSTは子どもや高齢者も住む場所。本社エリアとは違う場所で運行することで新たなデータが集まり、さらなるアップデートにつながる」と話す。今後は人や車の往来が激しい街中で自動運転が可能なのか。また、年齢ごとの使われ方の違いや配送しやすい商品のタイプなどを探っていく考えだ。

パナソニックは創業100周年を迎えた2018年に新たな経営方針として「くらしアップデート」を掲げた。家電や住宅設備をはじめ、同社が展開する幅広い製品群とソフトウェアを組み合わせてサービスを提案。製品を単に売って終わりでなく、継続的に課金できるビジネスモデルの構築を目指している。

同社は移動に関わるモビリティ分野も人の生活圏を構成する重点ターゲットと位置づけており、自動運転は柱の1つだ。

ビジネスとしては、「2021年度中に有償でサービスを提供できるようにしたい」(安藤氏)とし、その時期を逆算すると、2020年度内には公道で走る技術を獲得する必要がある。さらに、「(単に技術的に)公道を走れるかだけでなく、(住民に)価値を感じてもらえるか」(安藤氏)も重要になる。

次ページビジネスとしての実用化には障壁
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事