パナソニック「配送ロボット」は実用化できるか 神奈川県藤沢市で実験、21年度の収益化目指す

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パナソニックの自動配送ロボット。かわいらしい「表情」を持つ箱形ロボットだ(記者撮影)

「お先にどうぞ」「左に曲がります」「走ります」

かわいらしい顔をもつ箱型のロボットが路上を走行し、周囲の人に語りかける。

パナソニックが2020年11月から、自動配送ロボットの公道での実証実験を続けている。場所は、約2000人の住民が居住する、神奈川県藤沢市の同社工場跡地にあるスマートシティー「フジサワ サスティナブル スマートタウン」(藤沢SST)。コロナ禍でネット通販や料理の宅配ニーズが増加し、配達員の不足が生じているが、その解消に役立てることが狙いだ。

最大速度は歩く速さと同じ

今回の実証実験はフェーズ1とフェーズ2の2段階に分けられている。2020年11月~12月に行われたフェーズ1では、配送ロボットが公道をきちんと自動走行できるか確認する。2021年2月~3月に予定されるフェーズ2では自動走行だけでなく、ロボットを使って利用者のもとへ商品を届ける実験を行う。

自動配送ロボットは同社が手掛ける電動の車椅子をベースに作られた、高さと長さがそれぞれ約1.1メートルの箱形ロボットで、側面に2つの扉が付いた荷物を入れるボックスが搭載されている。最大速度は人が歩く速さとほぼ同じ時速4㎞で走行する。

監視センターでロボットを遠隔操作(記者撮影)

基本的に自動運転であるが、道路を横断する際や路上駐車中の自動車などをよける際は、監視センターにいる担当者が遠隔操作することになっている。

パナソニック・マニファクチャリングイノベーション本部ロボティクス推進室総括の安藤健氏は「道が混雑しているときには住民に気を遣ってもらわないといけないので、(ロボットの外観は)愛着をもてるつくりにしている」と話す。同社では「(フェーズ1実験における)住民の受容性、期待は想像していた以上に高く、ロボットと親しんでくれそう」と手応えを感じているようだ。

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