気持ち・読んでる。西友の「KY」絶好調!《それゆけ!カナモリさん》
『「コジマさーん」「ヤマダさーん!」「あ、ビックさん!」「ハーイ!」「タカタさん!」「どうしたの、みんな西友にあつまっちゃって!」。だってスーパーのテレビがスーパー安いんだもの。家電も安く。西友。』
「家具・寝具・雑貨などの生活用品は西友は高い」という認識を払拭するだけでなく、「専門店のニトリ・IKEAと同等以上に安いのだ」という訴求のため、あえて他社の社名を想起させているのである。
「どうせ西友は○○は高いでしょ!」という消費者の“気持ち(K)を読んで(Y)”、「そうじゃないよ!」と訴求するのが一連のCMのキモ。KY戦略は表立っては、「カカクヤスク」と「クラシヤスク」の2本立てということになっているが、実は「キモチヨム」が裏に隠されているのではないか。
例えば、筆者が「おっ!」と思ったのが、冷凍食品の価格訴求だ。
2002年にウォルマートと包括提携し、2008年には完全子会社となった。ウォルマートの基本はチラシに頼らない「EDLP=Every Day Law Price」だ。しかし、毎日チラシで買い物計画を立てるEDCP(Every Day Chirashi-de Planning?)な日本の主婦には受け入れられず苦戦した。
そのブレイクスルーがKY戦略の一環である、「他社のチラシに掲載された特売価格が西友よりも安い場合に販売価格を引き下げる“他社チラシ価格照合制度”」だ。その中でも西友が絶対の自信を持っていたのが、当時一層の値下げをした生鮮品と冷凍食品なのだ。
その自信の源である冷凍食品の価格について、西友は自らアンチテーゼを行った。店頭にポスターを掲出したのだ。