絶対王者「N-BOX」の頭打ちが映すホンダの難題 軽と小型車の国内依存大、期待は新型ヴェゼル

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N-WGNが売れればN-BOXの販売にも影響する

カテゴリー別に見ると、ホンダの軽自動車は12.4%の減少(軽自動車市場全体はマイナス11.7%)、小型/普通車は19.7%の減少(小型/普通車市場全体はマイナス13.8%)だから、ホンダは市場全体に比べてマイナス幅が大きい。ホンダの商品企画担当者からは「コロナ禍の影響で国内販売は大きな打撃を被ったが、ホンダは特に売れ行きの回復が遅い」という話が聞かれる。

この影響で、月別メーカー別販売ランキングの順位にも変動が生じた。この数年間は、1位:トヨタ、2位:ホンダ、3位:スズキ、4位:ダイハツ工業、5位:日産自動車で固まっていたが、2020年のホンダは、スズキとダイハツに抜かれる月が増えた。2020年1~11月の累計は、1位:トヨタ、2位:スズキ、3位:ホンダ、4位:ダイハツ、5位:日産となる。直近の11月(単月)は、スズキとダイハツに抜かれてホンダは4位に後退した。

軽自動車や小型車に依存する体質

順位を下げた理由として、ホンダの国内販売が、少数の軽自動車やコンパクトな車種に依存していることも挙げられる。例えば11月のホンダの販売状況を見ると、N-BOXが国内で売られたホンダ車の30%を占める。N-WGNは9%だ。コンパクトカーの「フィット」は14%、コンパクトミニバンの「フリード」は13%だから、この4車種を合計すると国内で売られたホンダ車の66%に達する。

ちなみにN-BOXの販売比率が最も多かったときは、国内で売られるホンダ車の約36%を占めた。このときには、先に挙げた4車種を合計すると、国内で売られるホンダ車の70%以上に達したこともある。つまり今はN-BOXの売れ行きが下がり、ホンダ車全体の販売にまで大きな影響を与えているわけだ。

また最近は、軽自動車の売れ方に変化が見られるようになった。以前は全高が1700mmを超え、両側にスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンが圧倒的に売れていたが、最近はN-BOXだけでなく、同じくスーパーハイトワゴンのスズキ「スペーシア」やダイハツ「タント」も販売が下降している。

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