Zoom画面の向こう側で笑顔の男女が並んで座っている。今月、婚姻届けを提出する予定の小澤秀則さん(仮名、44歳)と西尾瑠璃子さん(仮名、39歳)の婚約カップルだ。
秀則さんは千葉県在住だが、昨年の7月に「真剣交際」を始めてからは瑠璃子さんが一人暮らしをしている東京郊外のマンションで週末を過ごしている。
「居心地がよすぎて現状維持でいいや、と思った時期もありました。マチコ先生に背中を押してもらわなかったら、今でも婚約してなかったかもしれません」
秀則さんがのんびりした口調で言及するマチコ先生とは、筆者と一緒に「オネット」というお見合い応援活動をしている婚活パーソナルトレーナーのことだ。筆者の読者同士をネットの力も借りて結び付ける世話焼き活動で、しばらく休止していたが昨年4月に再開した。
「暗黒期」を体験しパートナー探しを決意
秀則さんのプロフィール記事を読んだ瑠璃子さんがお見合い希望をしてくれて、交際の末に婚約。新生オネットの成婚第1号である。やたらにうれしいので本連載で報告させてほしい。
都内の観光関連会社で働いている秀則さんは、筋肉質であることがよくわかる爽やかな長袖Tシャツ姿で、お洒落な丸メガネに短髪。職業柄なのか笑顔を絶やさない男性だ。しかし、20代の頃はサーフィンに熱中し、35歳のときに不動産会社の営業職として働き始めてからは「暗黒期」に突入したと振り返る。
「売れない営業マンだったのですごくしんどかったです。自分が生きることで精いっぱいで、余裕などまったくありませんでした。もともと1人が好きなのもありますが、気の合うパートナーと一緒に暮らしたいとようやく思い始めたのは40歳を過ぎてからです。10年後、20年後も1人きりだったら寂しいな、とも思いました」
仕事面で安定しないと結婚には気持ちが向かない、という話はとくに男性からよく聞く。「家族を養う」ほどの甲斐性はなくても、「共働きならば家庭をそこそこ豊かに維持できる」という自信は必要なのだ。秀則さんの場合は、海外の富裕層向けの観光ビジネスに活路を見いだし、現在は独立開業も視野に入れている。
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