早くから持ち株会社制や社外取締役を導入するなど、帝人はガバナンス改革を積極的に行ってきた。一方、業績面ではライバルの東レに大きく水をあけられている。この4月、最年少役員からトップに就いた鈴木純社長は、名門繊維会社をどのように成長軌道に乗せるのか。
──社長という立場になって、あらためて気づいたことは。
樹脂・フィルム事業は業績が悪く、構造改革が必要だと言い続けてきた。だが、あいさつ回りで200社近くの取引先を訪問し、「意外と期待されている部分もあるのだな」と感じた。赤字を止めることが構造改革だと考えると間違える。(不振事業でも)いいものをちゃんと見つけることが重要で、構造改革と成長戦略は裏と表の関係にある。
「お客さんのニーズに応えて」とよく言われるが、それはウソ。顧客の声だけでは本当のニーズは見えてこない。自分たちでマーケットを探さないと。私が携わってきた医薬ビジネスでは、顧客が目の前の改善から夢の薬のことまで、すべての要望を同じレベルで話す。そうした声をどう選別するかが大事だ。
──2016年に500億円台という営業利益目標(14年度見通し250億円)は高すぎませんか。
500億円は最低ラインだ。そのために構造改革をやり続けないといけない。創業100周年を迎える18年までに成長の絵を描きたい。
ただ、反省もある。樹脂・フィルム事業がなぜ一気に赤字になったのか。シャープやソニーなど、日系メーカーに供給先を過度に依存していたことは事実だ。ビジネスをやるのなら、中国や韓国を見据えて、3本足、4本足でやる必要がある。
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