2021年、日経平均は3万2000円でも驚かない 3万円の大台を突破する必要な条件とは何か
2020年はコロナ禍が作り出した需給相場だと述べたが、この構造が変わらなければ、2021年も上昇が続くと考えられる。
筆者はコロナショックの「倍返し」の水準がメドとなる日経平均株価3万2000円前後を2021年末の目標に設定している。倍返しとは、前述のコロナ前の高値2万4115円とコロナショックの安値1万6358円の差である7757円を2倍にして、安値の1万6358円に足しこんだ値だ。3万1872円となり、3万2000円に近づくからだ。
当然、コロナの収束の時期と景気回復の時期によって、その日柄(経過日数)と値頃感は違って来るだろう。
ただし、その結果については逆指数的に考える。つまりコロナの収束は人類にとっては朗報だが、株価にとっては終わりを意味する。景気回復についてもコロナと同様の考えだ。ただ、コロナはすぐにただの風邪になるとは到底考えられず、景気もコロナショック後の急回復は限定的で、2021年中の相場終了はないと思っている。
さて、年明けの指標だが、1月5日は12月のアメリカのISM製造業景況感指数、7日は同12月ISM非製造業景況感指数、8日は同雇用統計にまずは注目だ。ここでは数字もさることながら、その反応を見て、相場の質の変化を探りたい。
いよいよTOPIXが巻き返す?
29年ぶりの高値まで戻った日経平均株価の2021年目標をざっくりコロナショックの倍返しとしたのは、簡単に言えばチャートの明確な節目が1989年の史上最高値までないからだ。しかしTOPIX(東証株価指数)にはそれがある。2018年1月の戻り高値1911ポイントだ。
最近の三菱重工業の株価を先導役に、動きの変わって来た重厚長大銘柄や、内部インフラのDX(デジタルトランスフォーメーション)化で稼ぐ力がついて来た化学、機械、鉄鋼などのオールドエコノミー銘柄の復活を考えると、この目標達成の可能性は十分にある。もし、この3年ぶりの高値を抜くと、上値の重しが一気に外れ、2000ポイント以上に進む可能性もあると見る。
実際、日経平均株価をTOPIXで割ったNT倍率を仮に15倍で計算しても、1911ポイントで15倍ならば日経平均株価は2万8665円、2000ポイントなら3万円と、日経平均株価だけで推測した目標値にかなり近くなる。
まずは、2021年1月20日のアメリカの大統領就任式で、日経平均2万7000円台であれば良いと思っているが、果たしてどうか。
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