【産業天気図・海運】バラ積み船の船腹過剰問題が軽減、中国も“爆食”再び、来春まで終始「晴れ」

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 一方、09年度に大赤字部門となったコンテナ船は、欧米運賃が09年10~12月期に想定以上に回復。5月の北米運賃改定交渉が順調なら、大手各社のコンテナ船部門の赤字が大きく縮小しそうだ。川崎汽船は10年3月期にコンテナ船部門の巨額減損を実施したほか、日本郵船は満期到来のコンテナ船を順次返船。船隊規模を当面縮小することで赤字削減を図っている。

また自動車船は各社とも09年度に初の部門赤字に陥ったが、足元ではピーク比7割の水準近くまで運搬台数が戻ってきている。トヨタのリコール問題の余波は懸念だが、このままの増勢が続けば損益分岐点越えは確実な様相だ。

懸念材料はタンカー(油送船)。原油そのものへの投機的な思惑が交錯、原油先高感が強い場合はタンカーごと停泊し原油価格の上昇を待つことが常態化しているためにタンカーの船腹供給量が不安定化している。一方で、10年はタンカーもまた大量竣工期に入る。こうした背景から、タンカー市況は年初来、乱高下を繰り返している。このほか、大手3社が外航主体であることから為替動向も相変わらず懸念材料だ。原油価格も同様で、原油価格の上昇は燃料費の高騰として大手3社の営業利益を圧迫する。懸念材料はあるものの、バラ積み船が堅調に推移しそうなことなどから、業界各社の10年度は大幅な業績改善が期待できそうだ。
(山田 雄一郎)

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