【産業天気図・海運】バラ積み船の船腹過剰問題が軽減、中国も“爆食”再び、来春まで終始「晴れ」
10年4月~9月 | 10年10月~11年3月 |
海運業界は2010年4月から11年3月まで、終始「晴れ」の活況となりそうだ。
09年度は業界大手3社のうち、日本郵船<9101>が57年ぶり、川崎汽船<9107>が23年ぶりの営業赤字に転落。唯一黒字だった商船三井<9104>も9割強の営業減益を強いられた。10年度はこれら3社がそろって業績改善するのが確実。日本郵船と川崎汽船が黒字化、商船三井が7倍近い増益になるのだから「晴れ」と断言して良いだろう。
まずは業界の最大の収益源であるバラ積み船。海運市況の高騰を受けて各社一斉に発注をした結果、新船の竣工が10年に集中し運賃市況が下落するとされたいわゆる「2010年問題」は、各社の竣工時期の先延ばしや建造中止などで後退。当初300隻と見られていたケープサイズ(積載重量15万トン以上の大型船)の10年の年間竣工隻数は180隻前後にまで沈静化しつつある。
加えて、中国が大方の予想に反して鉄鉱石の輸入を大きく増やしたことから、ケープサイズの1日当たり運賃(=用船料)は堅調に推移している。ケープサイズの運賃は10年3月期の期初には採算ラインとされる2万ドルを切っていたが、その後に上昇。昨年は一時9万ドル台をつけるまで回復した。その後は、上昇と下落を繰り返しつつも、2万ドルを切るほどは下げなかった。年明けには4万ドル台をつけるなど堅調。一時2万ドル台に落ち込んだものの、足元では3万ドル台を再び回復している(3月上旬の数値)。